思考時間は雄弁に語る
今回は「相手の手札を読む技術」の紹介です。
(説明の都合上シャドウバースを例にしますが、ノウハウは大抵のカードゲームに通用します)
突然ですが、皆さんは“ポーカーフェイス”という言葉をご存じでしょうか。
その名の通りポーカーから生まれた言葉で『感情を表に出さないことで手札を読ませない技術』のことです。
そんな言葉が生まれるほど表情は手札を雄弁に語ります。
しかし、シャドウバースをはじめとするデジタルカードゲームでは、当然表情を読むことはできません。
勝ち確定で「わ、わた、私の矢があなたを貫く!」って言ってる時は憎たらしい笑顔でしょうし、
ドロシーブン回りに「すごいね!」って言ってる時は顔真っ赤でしょうが分かるのはそのくらいです。
しかし、表情以外の情報から相手の手札を読むことは不可能ではありません。
マリガンの結果・プレイの一貫性・デッキタイプの把握など、要素は色々とあるのですが、そのうちの1つが“思考時間”です。
「何故いまここで、何に悩んでいるのか?」を意識していると、見えてくるものがあります。
特にランクマッチのような、比較的相手が素直にプレイしている環境下で有効です。
カジュアルに遊んでいる人も効率よくポイントを増やしたい人も、どちらも意味なく遅延はしないものです。
何かが懸かった試合でもなければ、時間が勿体ないですからね。
では、具体的にどういった要素が判断基準にされて、どういった情報が読み取れるのか。
その一部を今回の記事で紹介していきます。
基本の考えた方
対戦相手がカードをプレイせずに手を止めている時間がありますよね。
つまりは悩んでいるということなので、相手はプレイを選べる状況にある可能性が高いです。
そうして相手がカードをプレイしたあとに、
「このプレイと天秤にかけていた、選ばなかった選択肢は何だったんだろう?」という疑問を持つことが全ての基本となります。
とってもシンプルな例を紹介します。
『ミッドレンジロイヤルが先攻1ターン目から悩んだ挙句、何もプレイせずターンエンドした。』
この僅かな情報だけでも「手札に≪白と黒の決闘≫があってあえて使わなかったのかな?」という予想が立ちますよね。
これは誰でも想像するレベルですが、常にこの視点を維持し続けることが重要です。
いや、ポテトチップを食べていた手を拭いていただけかもしれないので思い込みは危険ですが、意識しているかどうかで確実に差が出ます。
こうした“プレイングから匂う空気感”というは嗅ごうとしない人は中々気付くことができません。
抽象的な話なので「何言ってんだコイツ」くらいに思ってくれてもいいのですが、
意識的にせよ無意識にせよ、上級者はこういう情報も気にしてプレイしていたりするものです。
情報を隠す
では逆に、自分の思考を読ませないようにするにはどうすればいいのか?
一番シンプルなのは毎ターン必ずプレイに時間をかけることです。
手札に選択肢が1通りしかなくてもとりあえず間を空けてからプレイする。
これを毎ターン繰り返すことで、おのずと思考時間とプレイに論理性がなくなります。
そうして破綻したシナリオを見せつければ、思考時間を判断材料にするのは諦めるでしょう。
…しかし、この方法は私に言わせればナンセンスです。
ババ抜きでカードを裏向きにしてシャッフルするようなものだからです。
確かに相手に考えは読まれなくなりますが、裏を返せば情報戦を捨てて5分5分の状況にしただけ。
どれがJOKERか分からないように裏向きにするプレイヤーよりも、
"相手がJOKERを引くように誘導する"プレイヤーのほうが厄介だと思いませんか?
では、次項でその考え方を紹介します。
思考を誤認させる
さっきも話題にした《白と黒の決闘》がいい例です。
例えば、持ってもいないのにとりあえず後攻1ターン目に悩むとどうでしょうか?
不自然にならないように、それでいて相手が気づくように、2~3秒くらい。
相手からすれば「《白と黒の決闘》持ってるのかな?面倒だなバーンカードを早めに消費するか…?」と考えることを増やせそうです。
逆に、本当は持っているけど最速でターンエンドすれば相手の意識は他のカードにうつり、警戒を下げられるかもしれません。
他にも選択肢が複数ある状況でも一切の思考時間を挟まずに最速でプレイすれば、
相手は「もしかして、〇〇のカードを持っていないのか!」と考え少しリスキーな賭けに出てくれるかもしれません。
実際に効果があるかはわかりません。
アニメを見ながら片手間でプレイされていたら「ん、どうかした?」って感じでしょうしね…。
それでも私は、
「今、自分の手札は相手からどう見えているかな?」
「自分のプレイはあたかも手なりで、裏目を気にしないカモに見せられたかな?」
といったことを考えてプレイすることで、思考時間も武器にできると思っています。
練習中なので、気を抜くとすぐ普通にプレイしてしまうんですけどね。
短いですが、今回は以上。
また内圧が高まったらなんか吐き出します。
【シャドウバース】 理を超える アーティファクト記憶術
2018年初の投稿、今回はシャドウバースのテクニック紹介です。
みなさん、3月29日にリリースされた第8弾カードパック「Dawnbreak, Nightedge / 起源の光、終焉の闇」楽しんでますでしょうか。
私はシャドウバース史上、一番面白いと感じるくらい今環境を楽しんでます。
第8弾はミッドレンジロイヤル環境から始まりましたが、数日であっという間にメタゲームが進んでいますね。
そんな中、気づき始めている人が多い「アーティファクトネメシス…強いでのは?」という事実。
「じゃあネメシス使おう!」と行きたいところですが、「でも、ネメシスってなんか難しそうだし…」と敬遠する人も多いのではないでしょうか?
その理由の1つに「デッキのアーティファクト枚数を覚えられそうにない」という不安があると思います。
安心してください、そんなことはありません。
あるコツさえ覚えれば、誰でも簡単に記憶することができます!
今回はそんなネメシス初心者~中級者に向けて送る記事、題して「理を超える アーティファクト記憶術」!
「え、普通に覚えられるでしょ…」という人は、ブラウザバック。
この記事から得られる知見はないので、ギルド騒乱編を1章でも進めたほうが有益です。
はじめに
本記事内では第8弾で追加された《プライムアーティファクト》を除外して解説しています。
そんなに枚数が増えないカードのため、現状は特に意識しなくても覚えられるからです。
《プライムアーティファクト》を覚えたい、今後新しいアーティファクトが増えて…となってもご安心ください。
今回の記憶術の拡張で簡単に対応できます。
ダメな覚え方
まずはじめに、ダメな覚えかたを紹介します。
もしかしたらこの方法で挫折している人もいるんじゃないでしょうか?
それはこんな思考手順です。
- 最初に《魔鉄の獅子》をプレイしたから「《アナライズアーティファクト》が2枚」。
- 次に《熱狂の機兵士》をプレイしたから「2-1=1でアナライズアーティファクトが1枚」。
- 次に《肉球砲の撃ち手》をプレイしたから「《エンシェントアーティファクト》が2枚」。
- あ、ドローでエンシェント1枚引いたから…(省略)
まぁいいんですよ、最初はこれでも。確かにこの程度なら覚えられます。
困りだすのは因果に身を捩りだしてからです。*1
毎ターン6枚カードを引いて、《生命の量産》をプレイして、《機構翼の剣士》を2枚プレイして…etc
そんなこんなでデッキを足したり引いたり、9ターン目くらいに手元に《ハクラビ》。
「…はて、このハクラビは何を引いてくる確率が高いんだ?」というやつです。
「エンシェントアーティファクト確定?何枚残ってた?期待値は…」
こうしてよくわからずプレイしたハクラビが《レディアントアーティファクト》を引いてきて4PP余った、となっては目も当てられません。
なぜわからなくなってしまうのか。
それは「各アーティファクトの枚数を孤立して覚えてしまっているから」です。
図にするとこんな感じ。
人間の記憶というのは、孤立した情報にめっぽう弱いです。
繋がりがないとあっという間に忘れてしまいます。
アーティファクトのカウントだけに集中していればいいのですが、シャドウバースは対戦カードゲーム。
相手の行動に対処するため色々なことを考えていると、上図の紐づけがプツンと切れるときが訪れます。
そうすると思い出すのは困難です。思い出そうとして別のアーティファクトの枚数を忘れる、となっては泥沼状態。
ではどうすればいいのでしょうか?
覚える情報はたった1つ
勿体つけましたが、いよいよ答えです。
それは「4桁の数字を1つだけ覚える」これだけです。
「え、なんのことだ?」という人のために図解。
このように、各桁に何のアーティファクトが対応するのか、最初から決めておくのです。
各桁の対応ルールは自由ですが、私は低コストのアーティファクト順に並べています。
例えば上図の「1322 (イチサンニーニー)」は…
ということです。じゃあ2133は?0021は?
どうでしょうか。パッとわかるのではないでしょうか。
あとは、アーティファクトの枚数が変動するたびにこの4桁を頭の中で更新するだけ。
最初の例に沿うなら
- 最初に《魔鉄の獅子》をプレイしたから「2000」。
- 次に《熱狂の機兵士》をプレイしたから「1000」。
- 次に《肉球砲の撃ち手》をプレイしたから「1200」。
- あ、ドローでエンシェント1枚引いたから…「1100」。
となります。
これなら覚える情報は数字1つだけ、簡単に思えてきませんか?
実際、私はこの方法でネメシスを使い出してから、ほぼカウントミスはありません。
ストロングゼロを1缶飲んだ状態でも1試合ずっと覚えていましたよ。試合には負けましたけど。
訓練方法
とはいっても、この方法も「はい、どうぞ」とすぐに習得とはならないかもしれません。
そんな人にお勧めなのは、声に出すこと。
カードをプレイするたびに「2000(ニーゼロゼロゼロ)」とか「4203(ヨンニーゼロサン)」といった感じに発声します。
人間は声に出した情報のほうが、記憶に残るんですよ。
電車の中とかでスマホ片手に声を出すと只の不審者なので、慣れてきたら脳内で声を出していきましょう。
応用方法
最後に、より数字を忘れづらくするための方法を紹介。
4桁の数字を頭の中でふわふわさせずに定着させてしまいましょう。(稀に4桁の数字まるごとすっぽ抜けるので)
私が実際にやっているのは、プレイ画面にイメージしたUI(ユーザーインターフェース)を焼き付けるという手法です。
図にするとこんな感じ。
なので、私の脳内では4桁の数字が縦書きです。
そして頭の内側ではなく、ゲーム画面に焼き付けているので、記憶するときも思い出すときも、画面の左下を注視することがトリガーになり、簡単に引き出せるのです。
ちょっと概念的なので慣れてきてからでいいですけど、実際に定着力上がるのでオススメですよ。
それでは、良きネメシスライフを!
【COJ】勝てる種族デッキのつくりかた
2回続けてカードゲーム全般に対する話題を続けてましたが、今年の締めはCOJ特化記事。
今回のテーマは「“勝てる”種族デッキのつくりかた」です。
「勝てる」をあえて強調してるのには理由があります。
それは全国対戦の対面に出てくる種族デッキがあまりに「惜しい」ものばかりだったからです。
『何故、あとひと押しで勝てるのに、そこで(構築が)止まってしまうのか…』と。
そうしたデッキのほとんどに共通する問題点があるのですが、どうやら多くの人は気づいていないようです…
そういう人に向けて、(自論ですが)「種族デッキを強くつくるコツ」を伝えていければと思います。
勝てる種族デッキのつくりかた
デッキを構成する6要素
さて、いきなり本題に入る前に「COJにおけるデッキの構成要素」についてお話します。
COJには様々なデッキがありますが、特殊なデッキを除けば、
ほとんどは6つの要素の集合体で評価できると、僕は考えています。
それが以下の6つです。
- 速攻打点力:序盤(本記事では1~3ターン目までを指すことにします)にどれだけ相手のライフを削ることができるかの能力。
カードゲーム用語風に言うならばアグロ性能です。
- 盤面戦闘力:概ね「横にユニットがたくさん並ぶ」「BPが高い」でイメージはあっています。
正確には「お互いが除去に乏しいデッキ同士で、自然と5対5に並んで殴り合いになったときどれだけ強いか」という能力です。
- 逆転力:自分の盤面がゼロ、もしくは大きく負けている状況(1対3以上)になっても、場の状態をイーブン、または自分有利にできるかの能力。
カードゲーム用語風に言うならば捲り性能です。
- 除去力:戦闘以外の方法で、相手のユニットを除去する能力です。
逆転力と比例しやすい能力ですが、自分のマウントを継続する能力にもなるので、分けて考えています。
- 更地打点力:場がゼロの状態からでも打点が取れる能力です。
別にゼロである必要はないのですが、相手の盤面を突破する性能は加味しないので、ゼロベースが評価しやすいです。
手札から即座に打点につながる行動全般を指すのですが、ざっくり【スピードムーブ】です。
- 除去耐性:除去に対する耐性です。【秩序の盾】とか【加護】とか。
ユニット破壊時にすぐさま後続を特殊召喚したり、相手のユニットを減らして打点を止めるタイプの効果も、ここに分類します。
どうでしょうか。大体のデッキはこの6要素の組み合わせで表現できる気がしませんか?
この6要素を前提として、次の話に進みましょう。
(要素を完璧に網羅していないことは承知の上です。あくまで大枠です)
6要素の3すくみ
さて、前述した6要素ですが、これらを3つのグループに分けることができます。
そして、それらは概ね3すくみの要素になっているのです。
図にすると、以下のとおりです。
この中で、種族デッキをつくると自然と重視しがちな要素が「速攻打点力」と「盤面戦闘力」の2つ。
とにかく序盤から攻めていき、毎ターン場を強くして圧倒する闘い方になります。
つまり、「自分が攻める側である」ことを前提にしています。
結構、これ皮肉なのですが、答えは後程。
それに対して、上級者が好み、公式大会などでも使用される所謂「ガチデッキ」ですが、
これらは「逆転力」と「除去力」が高い傾向にあります。
「速攻打点力」と「盤面戦闘力」はあればいいけど、最悪平均レベルでいい、と考える人がほとんどです。
つまり、自分の盤面が崩されることを想定し「自分が受ける側」に回ることを覚悟しています。
不利になることを最初から考えているのです。
これが種族デッキの勝てない大きな要因です。
種族デッキは攻めのことばかり考えていますが、グッドスタッフ系はそれを受けて返すことを想定しています。
そして返されたあと、種族デッキは自分が受けに回ると極端に弱くなるので、そのまま逆転されてしまうのです。
しかし、そんなグッドスタッフ系も苦手とする要素があります。
それが「更地打点力」と「除去耐性」。
除去耐性は言わずもがな、除去したいのに除去できなければ、盤面を返すことはできません。
そして更地打点力があれば、除去されても次のターンに即点を取ることができるため、
少ないライフなら場を無視して押し切ることが可能になります。
また、除去側に、「除去+受けの場をつくる」という2つの行動を要求するため、
俄然、受ける難易度が上がります。
【スピードムーブ】を持ったユニットをただ除去し続けるだけであれば、いつか除去側のライフが尽きるのは自明です。
1ターンで勝負を決められる手札を揃える「ワンショット」と呼ばれるタイプが、
受けのデッキに有利に立ち回れるのはこのためです。
ここまで理解すれば、ゴールはすぐそこです。
種族デッキがとるべき戦略
前述のとおり、ただ盤面をつくって攻めるだけのデッキは弱いことがわかりました。
ではどうすればいいのか。
受ける側の苦手とする要素を取り入れていけばいいのです。
図にするとこんな感じ。
大抵の弱い種族デッキはA群にあります。
そして惜しい種族デッキはB群。これらは逆転力もあるため、
一見勝てるように見えるのですが、とはいえそこは相手の土俵。
本職とやり合うには結局パワー不足のためいつか抑え込まれます。
そんな種族デッキがとるべきポジションはC群。
ここを狙って調整するのです。
そこで特にオススメなのが「更地打点力」を加えること。
ようは【スピードムーブ】です。
元々種族デッキは攻めが強いので、行動のベクトルがマッチしています。
押し切る力を加えただけ、まったく無理がありません。
僕のオススメの4枚を載せておきます。
特に一押しは《インサイトストライフ》、騙されたと思って変えてみてください。
これだけ覚えておけば、結構変わりますよ。
ちなみに「除去耐性」をオススメしないのは、幅が広すぎるためです。
ダメージには【秩序の盾】、消滅には【消滅効果耐性】、じゃあ破壊は?呪縛は?
とメタを張り出すと結構キリがありません。
もちろん、環境を読んでのことや、自分のデッキが苦手な部分をピンポイントに抑えるなどは有効なので、
慣れてくれば試していいと思います。
ただし、くれぐれも「更地打点力」を忘れないこと。
サンプルレシピ
文章だけではわかりにくいと思うので、具体的なサンプルレシピを例に説明します。
これが勝てる魔導士デッキ、なんと12/29現在Sデッキです。
どうですか?結構強そうですよね。
もしそう思ったなら、あなたの審美眼はなかなか…まずいですね。
価値観を疑ったほうがいいです。
このデッキ、はっきり言ってめっちゃ弱いです。
一応勘違いしてもらえるようにそれなりに組んでいますが、
典型的な「とりあえず種族ユニット突っ込んだ勝ち筋のないデッキ」です。
実際にこのデッキを前述の6要素で評価してみると、こうなります。
みてのとおり、「逆転力」と「更地打点力」が全然足りません。
「除去耐性」があるように見えますが、【秩序の盾】を付けられるだけ。
現在は《獣王女アタランテ》の流行により、【秩序の盾】は言うほど信頼性がありません。
みんな前提で対策しているから。
《創世竜ティアマト》か《始世姫ジョカ》で一度流されて、『はい負け』が目に浮かびますね。
なんなら《鳳凰》を食らう可能性だってあります。
大抵の「とりあえず種族カードを突っ込みました」デッキはこれで、
受ける側視点からすれば「盤面を一回崩すだけで勝てるカモ」なのです。
そして何故でしょうか。「盤面を崩されないように必死に邪魔するメタカード」はこれでもかと探すのに、
盤面を崩されたあとのことは全然考えていないことが多い。
いや、無理ですよ。崩されないの。さすがに楽観的すぎる。
『いつか崩されても大丈夫だけど、崩すのに苦労してね。その間に5点もらうから。
崩されたあとから3点取るプランは考えてるよ』
とこういうスタンスであるべきなのです。
それを踏まえて、実際に僕が真面目につくった魔導士がこちら。(ハードル上げてしまった…)
オリボはAに下がりましたが、弱点を大幅に改善、一度盤面で負けたくらいでは終わらないデッキに仕上がっています。
意識した点は以下の通り。
- 盤面が適度に崩れることを良しとし、崩されかけた盤面を《ライブオンステージ》で立て直し、《ラートリー》&《妖精王オベロン》
で押し返すことが可能な構成。
- 残り3点以下になればオベロンにより更地からでもライフを取りきれるため、詰め性能も向上している。
- 《インサイトストライフ》も魅力的だが、ラートリー、マジカルナックル、オベロンといった強カードを使い回すほうが優秀と考え《冥札再臨》に変更。
- 《リジェネレート・デリュージ》による再展開からの《魔導の書》or《魔法少女マジカルナックル》により、盤面の逆転を可能にした。
実際、完成直後はそこそこ勝てて通算でオーブ1個増えました。
ただし、今は使わないことをオススメします。
理由は明確、S獣とSドラゴンの両方に勝てないからです。
特にあいつ、小学生が効果を考えたようなドラゴン《天竜ヘブンズドラゴン》。
あいつはダメです。大抵の種族デッキはあれ一枚で負けます。
【消滅効果耐性】を無理なく採用できる形が思いつくまで魔導士は寝かせておきます。
種族デッキの強みを活かせ
種族デッキの最大の強みは何といっても「オリボが高い」ことです。
身もふたもないですが、やはりデッキパワーや勝率だけを重視するなら、グッドスタッフのデッキに軍配があがります。
ですが、そのデッキパワー差を埋めるのがオリボ。
かなり勝てるCデッキを横目に、そこそこ勝てるB~Sデッキで差を付けていきましょう。
また、プレイ感がデッキによってガラッと変わるので飽きにくいのも特徴です。
「楽しんで、そこそこ勝って、オーブも稼げる」ランクマッチのソリューションは種族デッキなのです。(盛ってしゃべってます)
余談ですが、12/21~1/3の今期間、Sデッキバブル来てます。
種族デッキは自然と高オリボになりやすいですから、AやS余裕です。今こそオリジナリティで差をつけろ!
種族紹介
最後に付録として、独断で評価した全種族デッキの特徴を紹介します。
今までの話をもとに、その種族が苦手とする要素を強くするか、または強みをさらに磨き、
対応できないパワーにまで洗練させるか、そこはまさに構築するあなたの腕次第です。
それでは今年はこれでお別れです。
しがないブログですが、来年もよろしくお願いいたします。
2018年も、よいエージェントライフを!
おしまい
デッキのつくりかた
前回の記事、たくさんの閲覧・拡散ありがとうございました。
ike-coj.hatenablog.com
「○○連勝!最強デッキレシピ!」とか「最速カードレビュー」みたいなわかりやすい記事に比べるとマニアックな記事で、
『一部の人にしかうけないだろうなぁ…』と思ってたので、この反響には素直に驚きです。
こういう記事がうけるというのは、自分にとって朗報なんですよ。
こんなことばっかり考えているカードゲームジャンキーなので、まだまだありますよ、引き出し。
そんなわけで引き続き、カードゲーム全般に通じるお話。
前回も触れた、<カードゲームの勝敗を決める4要素>のうち、<デッキ構築力>についてです。
- 環境分析力
- デッキ構築力 ←これ
- プレイング
- 運
デッキを自作するメリット
最近はインターネットの普及に伴い『デッキはネットで拾うか、誰かから貰えばいい』なんて時代にもなってきています。
私はそれが悪い事だとは思っていないです。
ただ、デッキを自作する選択肢を検討せず、『そういうものでしょ?』と決めつけるのだけはどうかやめてほしい。
デッキをつくれる人は色々な面で有利です。
例えば…
- 他人のデッキを雛形に、改良できるようになる
(作成者の構築意図を汲まないと、改悪してしまいかねません)
- 常にメタゲームの一歩先の構築で戦えるようになる
- 相手に行動が読まれづらくなり、情報アドバンテージで優位に立てる
- マイナーなデッキやオリジナリティの高いデッキと対面したときでも、相手の狙いを察知できるようになる
etc
環境という名のテストは自分で解いた方が力になるということです。
カンニングする人は次のテストでもカンニングしないと、同じ問題すら解けず、いつまでも力になりません。
環境初期やエラッタ直後でもすぐデッキを順応させる人は、前の答案がなぜ正解なのか理解しているから、応用に躓かないのです。
算数を知っているから数学がわかるだけです。
ただ、今回の記事はこれらの内容をそこまで掘り下げるつもりはありません。
例に挙げたことなんかより、もっと得なことがあるんです。
いやね、楽しいんですよ、デッキ構築。
よく『人生半分損してるよ』という言い回しを、強くお勧めするコンテンツに使ったりしますが、
実際は人生の半分も損することはありません。人間の人生はそんなに薄っぺらいものではないです。
それでも、デッキ構築を自分でやらない人に向けて、数字の比喩抜きで『カードゲームの楽しみ方、半分損してるよ!』と声を大にして言いたい。
私自身は、試合を『自分のつくったデッキが本当に面白いかor強いかor正しいか』を証明する場みたいに捉えてます。
それで試合で得た結果をもとに『あーここは違ったなぁ』とデッキにフィードバックする。
構築→試合→反省→構築→試合…の繰り返しで、どんどんデッキが洗練され、99%*1の完成度に達する。
それが色んな成果につながります。
- 公開して、『○○さんのレシピ、めっちゃ勝てる(or面白いor完成度高い)、すげぇ!』っていう賞賛
- 『これでランクマッチに常勝できる』っていう自信と実益
- 『次の大会はこのデッキで悔いはない』っていう覚悟
一から自分で考えたことが結果に直結する成功体験は人間の根源的な嬉しさですし、
その過程もひたすら自分の大好きなカードゲームを遊んで、考える。これが楽しくないわけがない。
だからみんなにもこの楽しさを知ってほしいです。
この記事の目標は、『このブログを読んで、自分でデッキを組むのが楽しくなりました!』
と言ってくれる人が現れることです。
デッキをつくれる人とつくれない人
さて、前項でデッキを自作するのは楽しいと言いましたが、実際問題、私のまわりにもデッキ構築をあまり楽しいと思わない人かいます。
そういう人の多くが口にするのは揃って
『どうやって組んだらいいかわからない』
これです。
勉強が苦手な人の陥る状態と同じかもしれません。
『何がわからないのか、わからない』状態。
確かにこの状態の人に『デッキ構築は楽しいよ、なんで自分でつくらないの?』と迫るのはあまりに酷です。
無意識なマウント、カードゲームハラスメント。
そうならないために、なぜデッキが組めないのかもう少し噛み砕きます。
『デッキを組めない』は言い換えると『勝ち方がわからない』ということなんです。
逆にデッキを組める人は『どうやって勝つか*2』をイメージしてデッキを組んでいます。
『どうやって勝つか決めて、ゴールから逆算する』シンプルに書くならこれだけです。
では『どうやって勝つか』の例を挙げていきましょう。大分すると、殆どのデッキは以下どれかに該当します。
- ビートダウン:コンスタント*3に生き物*4で攻撃して相手のライフをゼロにする
- コントロール:序盤は相手の攻撃を防ぎ、後半に手札差やカード1枚ごとのパワー差で圧倒する
- コンボ:特定のカードを複数枚揃えることが、勝利に直結する
特に一般的なのは<ビートダウン>と<コントロール>でしょう。
普通にデッキを組むと大抵はこのどちらかになります。
今回はこの中でも、デッキ構築が苦手な人でも最もつくりやすいデッキタイプ、<ビートダウン>にフォーカスして話を進めていこうと思います。
デッキのつくりかた
さていよいよ本題です。デッキをつくるコツは以下の3ステップです。
- ゴールを決める
- ゴールまでの道のりを埋める
- 仮想敵でシミュレーションして勝つ
これさえ意識すれば、そう易々と紙束*5にはなりません。
順を追って説明していきます。
ゴールを決める
まずはデッキのゴールを決めましょう。
当たり前のファーストステップですが、これができていない人は多い。
『これからランニングで勝負をしよう!』というときにゴールまでの距離を知らずに走る奴はいません。
100m走なのか、400m走なのか、フルマラソンかもしれないし、もしかしたら障害物走かも。
ランニングに例えると笑いごとですが、完成度の低いデッキほど、これになってます。
「とりあえず全力で100m走ったら、実は400m走だったから息切れで自滅する」とか
「400m走のつもりでペース配分してたら、実は100m走で余力を残したまま負けた」とかね。
ランニングとの違いは、<ゴールはあなたが決めるものだ>ということです。
実際の試合になると相手も自分のゴールを決めてそっちに引っ張ってくるので、そう簡単にはいきませんが、それは後で考える話です。
ゴールには主に3つの決め方があります。
- フィニッシャーを決める
- カードの最大コストを決める
- ピークターンを決める
説明の都合上、以下ルールのカードゲームと仮定します。
- ライフ20
- 毎ターン1コストずつ増加、最大10コスト
- 毎ターン1枚ドロー
1番は非常にシンプルです。『このカードでトドメをさすorゲームを決めるほどの有利を取れる』という1枚を決めることです。
あるカードが8コスト、5点分のダメージを与えられるなら、
「それまでの7ターンで15点を取り、8ターン目で勝つ」ことに注力すれば自然とデッキは完成します。
2番は明確なフィニッシャーがない場合の考え方。
デザイナーが酔った勢いでつくっていない限り、基本的にはカードゲームというのはコストの大きいカードほど強いものです。
そこを信じて、例えば7コストを最大と決めたとしましょう。
その時点で「あなたは7ターン目を目標にゲームをする気がある」という意思表示になります。
フィニッシャーとは違い、7ターン目にゲームが終わるかはわかりませんが、そのターンまでは最高の動きが可能になります。
最大が7コストということは、ここからは緩やかに息切れが始まり、より長期線を見据えたデッキとのカードパワー差が表れてきます。
決着はそれから数ターン内に決めたいとすれば、8~10ターンくらいがゴールとなりそうです。
3番は1や2の派生です。カード単体のパワーに加えて、複数カードの組み合わせも駆使し、<最強の数ターン>をつくりだすイメージです。
デッキ構築に慣れてくると、基本的には、3番の考え方をするようになってきます。
リソース、つまり手札をそのターン前後から段々と減らすことを構築段階で想定しておきます。
例えばデッキの最大コストが4コストだったとしても、
「5ターン目は3コスト+2コスト⇒6ターン目は4コスト+2コスト⇒7ターン目は4コスト+3コスト」
という動きは可能ですので、これが強い動きであれば十分なゴールとなります。
自分が最も強く動ける波状攻撃の時間、これがピークターンです。
3パターンのどれで決めても構いません。
これでが自分が走ろうと思っている距離が決まりました。
ゴールまでの道のりを埋める
ここでは、前項1番のフィニッシャー採用の形を例に考えます。
8ターン目に5点取れるカードがあるとすれば7ターン目までに15点を取ればいいわけです。
あとは常に1つ前のターンどうなっていたら自分が嬉しいかを考えていくだけです。
- 7ターン目:ここで4点無理やり取りに行こう。返しの相手ターンでボードで負けても、次で勝てるから気にしない。
- 6ターン目:次に4点を取るならこの次のターンに攻撃力4の生き物を残したい。このターンは3点取りつつボードは有利にしておきたい。
- 5ターン目:次に3点を取りたいから、このターンで生き物を展開しつつ、相手の生き物を除去し、ボードを有利にしよう。
(以下省略)
- 1ターン目:ここで生き物を絶対出そう。将来的に3点取れる見込みだ!
このように、常に1つ前1つ前です。
そうして1ターン目まで遡っていけば、自然に自分が辿りたい理想のシナリオが出来上がっています。
あとはそのシナリオに沿ったカードを追加していくだけです。
この方法、本当は逆 (1ターン目から理想の動きを積み上げて、結果的なフィニッシュターンを定める) でもいいのですが、
そっちのほうが難しいのと、気持ち的にも『○○のカードで勝つ!』という派手な勝利を先にイメージしたほうが楽しいから、ゴールからの逆算をおススメします。
仮想敵でシミュレーションして勝つ
あとはつくったシナリオが現実的に可能かを検証しましょう。
このとき私のおススメですが、相手をそのゲームのバニラカード*6で考えると、比較的無理なくシミュレーションできます。
強いデッキも途中で事故を起こしたりするので、脳内で完璧な動きをするバニラデッキは現実的な普通のデッキくらいの調整相手になるという認識です。
もしそのバニラデッキにすら、理想のシナリオを辿れないなら、おそらくそれは非現実なシナリオです。
慣れたら、その環境で流行っているデッキのテンプレートを相手にするとより信頼性の高いデータになりますが、
あまり複雑になるとシミュレーションしきれませんから、実際に試合をしたほうがいいです。
そうしてシミュレーションなり実戦なりでデータを取ったうえで、そのプランが非現実と感じたならデッキを見直しましょう。
問題点は以下のように色々とみえてきます。
- もう少しでゴールに届く。方向性は合っているから、単純にパワーを上げればよさそう。
- 完全にデッキの方向性が間違っている。
- 安定性が低すぎて無理。
ここで注意すべきは(特に実戦で試す場合)、負けてもある程度の回数試してから判断することです。
せめて5回、できれば10回。
もちろん1回で気づくデッキの欠陥もありますが、
相性の悪いデッキに偶然当たったとか、確率論で引きが悪かったとか、そういった偏りに滅入ってコロコロ方針を変えると、本当に正しい構築は見えてきません。
そうしてステップ1~3を繰り返せば、オリジナルのデッキが出来上がっているはずです。
応用:メタカードの調整
自分のデッキがゴールに安定して走れるようになってから、メタカード(特定のデッキに対する対策カード)を検討しましょう。
このとき注意するのは、メタカードは相手の足を引っ張りますが、そのとき自分の足も遅くなっている、ということです。
邪魔したい相手には勝てますが、自分自身も弱くなります。メタとはそういうものです。
『本当に自分は他人の邪魔をしている余力があるのか?』
『そもそも邪魔したい相手は環境にどれだけいるのか?』
つい特定のデッキに負け込むと憎しみからメタを積みたくなりますが、常に初心にかえって自分のゴールを見失ってないかチェックしましょう。
足を引っ張るだけ引っ張って、自分も同じくらい遅くなって泥試合、となっては目も当てられません。
応用:上手なデッキ診断のコツ
ここまでを理解すれば伝わるかもしれませんが、デッキというのは必ずゴールとそこに辿り着く自分のプランがあります。
ですから、誰かにデッキ診断を依頼するときは、
- 『こんなデッキをつくってみた。
- こういうプランで勝つつもり。
- このカードはこういう意図で採用している。
- これは○○対策。
- これは趣味!
- なんだけど、どう思う?』
と聞けば、良いアドバイスをくれます。
『そういうことなら、ここは違うんじゃない?』と意図を汲んで話せるからです。
決して、
- 『こんなデッキをつくってみた。
- なんだけど、どう思う?』
じゃないんです。『知らんけど、構築汚いね』で終わっちゃう。
大抵、こっちから2~5番を質問し返すか、もしくはアドバイスしたあとに『いや、これは趣味』とか言われる。(先に言ってよ~)
(見せる相手を信頼しだすと、『○○の採用意図、わかるでしょ?』って感じで多くを語らなくなりますが…私も気をつけよう。)
最後に
いかがでしたでしょうか。書き上げてなんですが、あまりうまく発信できなかった気がしている。
人によってゲームもバラバラ、デッキタイプもバラバラ、汎用的に使える考え方って文字におこしづらいですね…。
とにかく「デッキ構築とは、自分のやりたい勝ち方を決めて、それに対して勝つためのシナリオを都合よく当てはめるだけ」なんです。
都合よいところを現実的に調整していくのは、競技的なモチベーションに依存しますから、最初からそこに捉われないでほしい。
デッキ構築こそカードゲームの醍醐味、楽しいですよ。
おわり
*1:デッキレシピは経年劣化するので、永遠に完成することはない、という自戒で99%という表現にしています
*2:実際には勝つことを目的にせず、特定のコンボを決めることだけに注力した<ファンデッキ>をつくる人も存在しますが、ここでは省略します。 往々にしてそういうデッキは、手段が目的になっているので本末転倒ですが、本人がいいならいいのでしょう。 私は「特定のコンボを決めて、勝つ」まで見据えてこそ一流のファンデッカーだと思っています。
*3:いつも一定しているさま。恒常的
*4:クリーチャー、モンスター、ユニット、フォロワー、シグニ…呼び方はゲームによってそれぞれ
*5:非常に完成度が低いデッキを指す蔑称。大抵は勝ち筋が無いor勝てる可能性が低すぎる
*6:平均的なステータスを持つ能力のないカード
<プレイング>の考え方
1.はじめに
ここ最近、『カードゲームは運ゲーか否か』という議論を目にする機会がチラホラあって『不毛だなぁ…』と思って眺めていました。
カードゲームは大なり小なり…いえ、運に大きく左右されることは、周知の事実だと思います。
あえて強めの言い方をしますが『え…そんな当たり前のことに足踏みしてるの?』というのが私の意見です。
そこは早々に気持ちに折り合いをつけて、もっと建設的な議論をしましょうよ。上手い人たちほど、運を否定せず、運以外の部分に目を向けて努力しています。
本筋じゃないので簡単に思うことを。
運ゲーとは「<プレイヤーの意思決定が一切介入しない要素=運>が勝敗を決める割合の大きい、または全てのゲーム」に使われている言葉です。
しばしば衝突が起きるのは、この「運が勝敗を決める割合がどのくらいから運ゲーなのか」について人によってものさしが違うためです。
まずは、この認識を合わせたらいいと思います。
運ゲーについては、以上。
…前置きが長くなりました。今回は
・カードゲームにおける<プレイング>と、上達するうえでの考えた方
について私なりの意見を述べていきたいと思います。
2.<プレイング>の重要性
カードゲームにおいて、勝敗を決める要素は大きく4つに分けられます。
①環境分析力
②デッキ構築力
③プレイング
④運
今回はこの中の③にフォーカスして話します。
プレイングとは行動をユーザーが意思決定すること、ようはカードの使い方です。
「全く同じデッキ・手札・試合展開」でも、人によって行動に差が生まれるのは、全てプレイングによるものです。
このプレイング、残念ながら(?)カードゲームにおいて、4要素の中で最も勝敗への影響量が小さいです。
効率がよくない、と言い換えたほうが適切かもしれません。
相当磨いても、デッキの相性差や運の前には簡単にひっくり返ります。
プレイングが上手い人=強い人は、間違いではないですが、盲信は禁物です。
というのも、(ゲームによりますが)上級者になればなるほど、大抵の正解手は皆が辿り着けるので、差が生まれづらいためです。
自論では①と②に注力する方が、勝率は上がりやすいです。
(勿論③まで詰めたほうがいいですが、まずは①と②を詰めてから。この順序の方が効率的です)
ただ、昨今のカードゲーム事情はちょっと変化してきています。
何故ならこの①と②、Twitter等の爆発的な普及により自分で考える必要がなくなってきつつあります。
環境操作、承認欲求、単なる善意、色々と思惑はありますが、ある数日の時点ではそのまんま正解が転がってることもザラです。
デジタルカードゲームは特にこの傾向が強く、誰かのデッキリストをコピーするところからスタート、というのが当たり前になってきています。
ランクマッチの環境分析は有名プレイヤーのツイートをチェックした方が早い…なんてことも。
何とも嘆かわしい、というか(カードゲームの楽しみ方として)勿体ないなぁ…。
①と②には賞味期限があるので、自分で考えられる人の方が常に一歩先を行けて強いのですが、裏を返せば自分で取り組み続けることの旨みが(その苦労に比べて)少ないとも言えます。
その点③は、長く使える確かな力になります。
①と②を考慮したチューニングは必要なものの、ベースの考え方は錆びにくく、ゲームタイトルを超えて地力として機能します。
つまり何が言いたいかというと、「効果はすぐに見えづらいですが、必ず自分の力になるので、プレイングを磨き続けよう」というのが今回のお話です。
プレイングの考え方として、私が特に重要視しているのは以下の3点です。
❶天秤
❷勝利のシナリオ
❸覚悟
『なんのことだ?』という感じですが、順を追って説明しますのでご安心を。
3.正しい<❶天秤>を持つ
3点の中でも特に重要、全ての基礎です。
<プレイング>が上手い、とは<正しいプレイ>ができているということです。
兎にも角にも、この<正しさ>を身につけなければ、全てのプレイは土台がない、無価値なものとなります。
正しさとは、行動のリスクとリターンを比較し、適切な評価を下していくことで見つかります。
私は、このプロセスを天秤に例えて考えています。
あなたは、あるプレイを行おうと検討しました。
そのプレイに対する、リスク(あなたが敗北に近づく可能性)とリターン(あなたが勝利に前進する可能性)を天秤にのせ、重さを比較します。
そうすれば、そのプレイの価値がわかります。この価値は10点満点くらいに数値化してもいいですし、もっと大雑把に、良いか悪いかでも大丈夫です。
あとは全てのプレイに価値をつけていき、一番お得な価値のプレイをするだけです。
言葉にすれば簡単ですが、これが正しいプレイの正体です。
あまり意識していないですが、私たちは感覚的にこれを行うことで、カードゲームを遊んでいます。
では、上手いプレイヤーはその場で全てのプレイの価値を計っているのでしょうか?答えはNo。もしかすると、それができる超人的なプレイヤーもいるかもしれませんが、基本的には無理な話です。
そんなことをしていたら時間がいくらあっても足りません。
そこで時間の代わりになるのが、経験。
代表的な状況で、誰もが当たり前に取る行動、定石を知ることです。
天秤で測るまでもない行動は、最初から自分のデータに蓄積するのです。
そうすることで、本当に悩まなければいけないプレイに時間をかけることができます。
50.1gと50gの重りを置き、天秤が揺れ止まるのを、落ち着いて待つことができます。
定石を知っていることや、明らかな重さの違いを判断できる事にプレイングの差は生まれません。
僅かな重さの違いを適切に判断できる、天秤の精確さ、それこそがプレイングの基礎です。
また、天秤は定期的にチューニングが必要です。リスクとリターンを判断するには、<ゲームシステムの理解・カードプールの把握・流行の構築を知る>、などが必要ですから、放っておくと判断が大雑把になります。
あとは、平静でないとき、最初から天秤が傾いてることって、よくありますから注意です。
(怒っているときはリターン重視の猪突猛進、負け込んでいるときは弱気になってリスクに怯える、などですね)
『構築もプレイも正しいはずなのに何となく勝てない』と感じる時は、一度天秤を見直してみるといいかもしれませんね。
<❶天秤のまとめ>
・リスクとリターンを適切に評価する
・定石を知り、思考時間を有効に使う
・天秤の精度を常にチューニングする
4.常に<❷勝利のシナリオ>を描く
<正しい天秤>をある程度身に付けることができたプレイヤーは上級者の入り口に立ったといえます。
しかしそこで陥りがちな罠があります。
ある1ターンのプレイの正しさに囚われる、リスクリターン至上主義です。
これは本当、集中力の低下で視野が狭くなるほど起きやすく、大会では魔物になって襲い掛かります。
例えは、≪神の怒り≫というマジックの全体除去カードに絡むプレイ。
シャドウバースでいうと≪テミスの審判≫。
『うたれたら負けるから、リスクをケアするべき』と微妙な攻めを続けた結果、後半戦にもつれ込む。
それで勝つプランがあれば何も文句はありませんし、全ツッパしろと言っているわけではありません。
ただし、「裏目があると気づいたことをもって、リスクを適切に判断した気になる」これは全くの誤りです。
この展開を私は<緩やかな敗北>と呼んでいます。
勝利の意思を捨て、問題を先延ばしにした時点で、そのプレイは死にます。
どうやったら勝てるかだけを考えるのです。その中には必然的に、相手の行動を予測することも、耐えることも、邪魔することも、全て含まれます。負けたら勝てないですから。
『今は耐えるしかないorリスクが高い、とりあえず次に引くカードで考えよう』ではダメなのです。
『次に〇〇か〇〇を引けば勝ちの目は潰れないから、ここは我慢して耐えよう』
『リスクは高いけど、ここで行かないとこの先勝ちはないから、攻めよう。裏目があったら華々しく散ろう』と、常に勝利のシナリオをイメージして行動しなければなりません。
前項ではあえて触れませんでしたが、カードゲームとは1ターンの天秤で動くものではありません。一番大きな天秤、<勝つか負けるか>という比較のもと、シナリオで動かなければいけないのです。
『なんだ、気持ちの問題かよ。結果は同じだろ?』と思うかもしれませんが、これができない人は多いです。
そのターンの正しい選択を積み重ねていけば、何となく自分が有利になっていき、いつか自然と、勝ちに辿り着く。
そんな結果論のプレイを、私はよくみかけます。
間違いではないですし、最初はそれで良いのですが、いつか行き詰まります。
『自分は全てのターン正しいプレイをした、リスクリターンは合っていた、だから負けたのは自分のせいではない』と納得してしまうことは多いですが、本当にそうでしょうか。
そのゲームであなたが常に勝利のシナリオを想定し、正しい選択をして、一度も勝ちを諦めずにプレイしたなら、それは非の打ち所がありません。
ただそうでないなら、どこか反省点はあったと思います。
<❷勝利のシナリオ>のまとめ
・常に自分の勝ち筋を見据えてプレイする
・偶然性も含めて考慮する
・勝つ可能性を決して諦めない
6.結果に<❸覚悟>を決める
正しいプレイで、勝利を諦めずにプレイした。それでも負ける事は当然あります。
そのとき、あなたはその負けを想定していたでしょうか?
プレイに裏目はつきものですが、それをわかったうえで行動しているなら、その負けは受け入れられるはずです。
それが<覚悟>です。覚悟した敗北は、必ず次につながる経験値になります。
『予想してたけど、実際やられると思ったよりキツかった。』これはダメですね、リスクリターンを見誤っています。
『次のターン〇〇で勝ちなのに、トップドローで〇〇を引かれて負けた』これはどうでしょうか。あなたがそれに腹を立てているなら間違いです。
想定できていないから怒るのです。思いつくだけではダメです、『◯◯が来るかもしれないけど、それでも自分はこのプレイをするんだ(でも、来たら流石に怒るぞ!)』と確固たる納得と覚悟を持ってプレイしていれば、それは正解です。
究極的には、全ての試合展開を想定の範囲内で動き、勝利を目指した上で、なるべくして負ける。それが出来れば、その試合にプレイングミスはありません。
<❸覚悟>のまとめ
・敗北をあらかじめ想定し、受け入れる
7.最後に
いかがでしたでしょうか。
かなり高レイヤーの話というか、抽象的な心構えだったと思いますが、それを意識しているかどうかは上達の速度に直結すると、私は思います。
長ったらしい説明は忘れちゃうので、最後におさらい。私は抽象化したイメージとして
❶天秤
❷勝利のシナリオ
❸覚悟
を意識してカードゲームを楽しく遊んでいますよ、ということでした。
私自身、全て実践できているわけではありませんので、目標とも言えますね。
私は、カードゲームと呼ばれるジャンルにはアナログ・デジタル問わず長い付き合いで、ハマり具合の差はあれど20年以上続けてきました。
プレイしてきたタイトル数は両手の指では収まらないです。
『実績のないやつが語るな』みたいな風潮もある界隈ですが、それなりにカードゲームを真剣にプレイしてきた、ひとりのプレイヤーの意見として、何かが引っかかってくれれば幸いです。
「説得力のある実績」と呼ぶほどの大きな経歴はな…あ、そうそう、最近<WAR OF BRAINS>というデジタルカードゲームの全国大会で準優勝しました。フォローください。
おわり
ハーピー珍獣の手引き〜合法リストバンドが許されるのはCOJだけ!〜
久しぶりのCOJ記事更新。
(…キャッチーなネーミング募集中です)
1.デッキ完成の経緯
8月頃から他のカードゲームが色々忙しくて、COJはめっきりやってなかったのですが、先日「大三角五右衛門Sデッキ」をプレイして衝撃を受けました。
合法リストバンドごっこができるパズルゲームに戻っているじゃないですか。
ありえねぇカードゲーム、イシスの喉を潰しておきながら、また同じ過ちを犯していたのです。
引いてくるカードが攻撃力700アップ程度のカードパワーなら文句もないのですが、そんなはずもなく。
引いてくるのは<みんななかよし!>。
…そりゃダメですよ。<7カード>は許すけど、<天よりの宝札>をリストバンドに仕込んだら、デュエルも白けるってもんです。
この2枚を組み合わせると、CPを増やしながらデッキをあっという間に引き切ることができるわけですが…わざと刷ってるのかな?
もう、そういうゲームならそっち方面で楽しんでしまおうかなと。
大三角にイシス珍獣の動きを加えて調整し…
①更地から安定して始動できる
②一度回り始めると無限に回せる
の二つに特化して作ったのが、この「ハーピー珍獣」です。
2017/11/28現在、オリボA
ある程度、大三角やイシス珍獣を知ってる前提で、ザックリ解説をしていきます。
そんな時間かける記事でもないしね…。
2.勝ち方
「1ターンで7回ハーピーすれば勝てるんじゃね?」の思いつきで本当にやれたやつです。
と簡単にいっても時間制限が厳しいので、まずは以下①を目指します。
慣れてくれば②を意識できるようになり、最終的には③まで到達できます。
①ハーピーを2回+5体並べてキマイラ
②ハーピーを4〜5回+残りOCユニット
③ハーピーを7回
無我の境地や加護持ちがいたら③やるしかなくなるので、できると勝てるデッキがグンと増えます。7ハーピー(=デッキ3周目)は実戦で届いたので、③ができることは僕が保証します。
3.マリガン
慣れるまでは以下4枚だけみてればいいです。
先攻
優先度A:<月虹のささめき>、<花の高原>
優先度B:<ヴィヴィアン>、<ブロックナイト>
戦術は後述しますが、ユニットは4ドローでなんか引くので<月虹のささめき>と<花の高原>があればユニットなしでも止めていいレベルです。
後攻
ヴィヴィアン優先度がB+くらいに上がる(ささめきや高原よりは低い)あとは一緒。
4.戦術① 虹🌈を仰ぐまで
迷わないようにマニュアル化してるので、慣れてきたら臨機応変に。
書いといてあれですが、これは戦術というよりもう作業手順書だな…
先攻も後攻も一緒
補足:後攻でヴィヴィアン2枚あるなら1枚は(死んで困らないなら)出しましょう。
1ターン目:<カパエル>、<デビルウィンナー>、<ブロックナイト>の3種は出す。ないなら何もせずスキップ
2ターン目:同上
3ターン目:同上
以下、<月虹のささめき>を引くか、次のターンで死を悟らない限り繰り返し。
ささめきを引いた場合、その手札で4〜5CP残してささめきを踏めるならゴーサインです。
(3CP残しの見切り発車でも全然回るのですが、慣れないうちはやめた方がいいです)
実際には高確率で3〜4ターン目で回ります。
3ターン目(4CP)の場合
①更地から<花の高原>→<ヴィヴィアン>、軽減<朝空のニコラ>、軽減<ブラックナイト>で5cpから<月虹のささめき>
②軽減ヴィヴィアン→軽減ニコラ、<救いの神風>→ブラックナイトで5cpから<月虹のささめき>
あたりはよくあるパターン。あとは無限に回るのでルーチンワークです。
5.戦術② ランチ🍙🍞タイム
【ステップ1】
1枚目のささめきで引くカードは、以下のどれかが基本です。
①4色目と<フラワーアレンジメント>
②相手場に青か紫がいるなら、5色目と<みんななかよく!>
③手札に青か紫があるなら、<フラワーアレンジメント>×2枚
②と③はもう大体止まりません。すきに回してください。
①は運が絡むのでダメそうなら無理せず延命しましょう。
【ステップ2】
その後回していると、2度目の虹チャンスが訪れます。
2枚目のささめきは、<みんななかよく!>と<月虹のささめき>を引いてきましょう。
【ステップ3】
3枚目の<月虹のささめき>を手札に残したまま、デッキを一周させます。
これ重要です。2周目も無限に回すために必要です。
【ステップ4】
あとはひたすら
①<月虹のささめき>と<みんななかよく!>を残して他の5枚の手札でできる限り回す
②手札枯れてきたら<みんななかよく!>→<月虹のささめき>の順に刺してユニット出して7ドロー
③ささめき&みんななかよく!サーチ
④他の5枚の手札で…以下①〜③ループさせながら、ハーピー高原してると相手が死ぬ
【ステップ5】
勝利が確定したあとは勝ち方に拘り、芸術点(とヘイト)を稼ぎましょう。
僕はこのステップをとばすことを信条にしてますが、人によっては重要。
「煽っていいのは、煽られる覚悟のある奴だけだ!」
2017/11/29追記
6.戦術③ 無限ループ
前述の通り、このデッキ一度回りだすと無限のCPと無限の手札を得るのですが、肝心のその部分の解説が抜けてました。
「本当に無限なの?」「理論値だけで時間足りないのでは?」という人のためにも順を追って説明します。
①無限のCP
このデッキにはCP加速カードが6枚入っています。
<救いの神風>3枚、<花の高原>3枚です。
花の高原は全てカパエルハーピーとセットと仮定すると±0なので、一周で+6CP増える計算とします。
実際には軽減ニコラや軽減ブラックナイトでも何故か1CP増えますし、進化の種がニコラなら0CP、ハーピーを軽減すれば1CP節約と…色々ありますから、大体10CP以上は使えます。
あとはこの10CPを使い切る前にデッキが一周すれば、余りが増え続けるため、無限のCPですよね。
③でわかりますが、余裕です。
ニコラ、カパエル、ハーピー、高原だけで一周すら可能なので、神風3枚分の6CP余るくらいです。
②無限の手札
では実際にデッキが一周する計算。
<みんななかよく!>は7枚ドローですが、手札に1枚残したり、時には5枚ドローでも使うので、平均6ドローとします。
<フラワーアレンジメント>は3ドロー。
<月虹のささめき>の手札入れ替えで2圧縮。
これら9枚を合計すると、デッキを33枚引くことができます。
残り7枚ですが、カパエルとニコラを全部出せば39枚、あとはなんか重ねるなり、タコかブロナ出せば、はい40枚。
とにかく余裕があって、丁寧にやれば一周で50枚以上引けます。
ミスを許容する懐の深さよ。
③時間の節約術
注記:この節約術は慣れたら臨機応変に変えましょう。あくまで意識配分のテクニックです。
①と②から勘のいい人は気づいたかもしれませんが、このデッキ回りだすとやることは単純。
節約術❶
これだけです。黄色だけで合計9回トリガー/インセプを踏めるので、その9回で前述の一周が成立します。
実際には黄色が途切れるときもあるので、その場合は代わりに赤を下げて赤を出しましょう。
とにかく場の緑青紫は触らない。
慣れるまではそのくらいに考える方が結果的に時間の節約になり、余裕が生まれます。
節約術❷
緑青紫は手札から全部捨てる
慣れたら重ねたり軽減ブロナで1枚掘ったりするのですが、しゃらくさい。
<フラワーアレンジメント>使いたいのに手札が2枚しか空いてない?即捨てる。
<みんななかよく!>打つ前は何も考えず全部捨てる。大丈夫、黄と赤だけで一周するから。
節約術❸
<最後の一葉>を使わない
これめちゃくちゃ重要。大真面目に採用理由は思考時間稼ぐためです。実は<抑制剤>とかでもいい。
特に<みんななかよく!>で7ドローした手札を確認する時に重宝します。
2枚目を引くか、うっかり山が2枚余っちゃった、って時に使いましょう。
この①〜③を守れば誰でも…
(これ貼りたかっただけです)
7.最後に
いつかエラッタされるタイプのクソデッキなので、ご使用はお早めに。
流石に、昨日の今日で再エラッタは信用度ガタ落ちですが、やった方がいいと思うよね。
メモ
・ハンデス相手には<ティンクル×リンク>
・ミューズ、ファラオ、マーヤ、弱肉が弱点
・ユニット対策は<ソウルエクスキューション>
・トリガー対策は<スターインパクト>
・そもそもメタが増えたら使わないが丸い
・赤単がめっちゃキツイ。CP増加メタ積まれると地獄
・黄単はヴィヴィアン強気に出せるので有利
・緑単は普通。トリニティでCP吸ってくるのダルい
・青単や紫単は一緒にランチしてくれるので有利
以上
【ウォーブレ】VICTORのデッキ選択と理由
10/7(土) WAR OF BRAINSの賞金付き大会<VICTOR>に参加させていただきました。参加者・スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。
結果は分不相応なことに準優勝、賞金20万円。1日経った今でも夢のようです。
嬉しさと同時に悔しさもあるわけですが、正直出来過ぎた結果です。いや、本当に練習不足でした。
後で配信見返したんですけどラピスvsタオシン酷いですねぇ…「穴があったら入りたい」って言葉の意味が今ならよくわかる。
プレイングは大いに反省しているので許してください。今回はデッキについて、レシピとそこに至った経緯の話です。
1. デッキ選択の理由
今回の大会、プレイングは反省ばかりですが「デッキ選択についてはおおよそ間違ってなかったかな」と自負しています。(慢心じゃない…よ?多分…)
レシピはこちら
ユニオンとラピス。予選はユニオンです。
この2国を選んだ理由は
①<強みが相手のデッキに左右されない>
②<先攻後攻どちらでも攻めが強い>
この2点です。
同じ理由でタオシンも候補でした。
ユニオンはかなり早期に予選&本選で使う事を決めていたので、ギリギリまでミッドタオシンとラピスで悩みました。
不利を覆すバースト力と、デッキパワーを重視して、最終的にはラピスにしました。安定感ならタオシンに軍配が上がります。
ちなみにこれが御蔵入りのタオシン。ランクマでは一番使ってるかもしれないお気に入りです。
これは僕のカードゲーム持論なんですが『守るデッキは非効率』だと思っています。
何故ならベクトルが違う2つの事をやらないといけないからです。
守る、ということは相手の攻めを受け切らないといけません。しかも受け止めた後に攻めるリソースも必要なので攻めるよりさらに大変。
相手に全力を出させて、それでも勝てるというのだから、構築・プレイ両方で相当な自信がない限り、握るべきではないです。
その点、攻める側は相手がデッキのポテンシャルを出し切る前に潰せますし、もし相手が事故れば難なく勝ちを拾うことができます。(守るデッキは除去カードがダブついて相手の弱い動きに付け込めないことが結構あります)
特にウォーブレは盤面取る事が正義なゲーム性に加えて、後半2ドローで息切れしにくいので攻め特。攻め時!攻め攻めにゃん。
このため、マグナとシェドの2つは、ちゃんと使った上で、2週間前に候補からバッサリ切りました。
でも、普段使いならマグナ大好きですし、ホワイト推しですよ。シェドは普段から一番使ってないけど。
2.予選でユニオンを選んだ理由
予選は一発勝負なので<後攻でも勝てること>、<上振れは要らないから下振れしないこと>が最重要と考え、ユニオン一択でした。
いくらデッキパワーが高くても、安定感が低いラピスは予選で使うデッキではなかったと思います。
「予選はタオシンかユニオンの二択」が僕なりの結論です。
<トランス>や<マジックボイル>といったカードを完全に切っているのも上振れは必要ない、という理由からです。トランスやマジックボイルが強いときは=<モルモンズオーダー>を引いてるときで、オーバーキルなんですよね。モルモンズオーダー引いてりゃそれだけで十分。しかも4コスの<ニセコ…シルヴィア>か<エレファンク>に繋がるのが一番強いので普通に3ターン目に使うだけでいいんです。
<復活のスライム>は<アサギリオルト>だろうと<ブラッディスクリーム>だろうと、除去されても攻めが途切れず、かつよほど盤面を押されてない限りいつ置いても裏目が少ないので信頼の3枚差しです。<検体No294>も<破壊のアニマ>もいつでも重ねられるし、こいつがいるから20点届く。
本選では、<ヴァネッサ>1枚を<オーバータイム・ディライト>に変えています。
デッキ公開制なので<ヨミ>、<フローラ>、<ダンダマイト&王龍>への抑止力として入れ替えました。
裏を返せば、予選ではミッドタオシンやシェドはいないと踏んで、入れませんでした。(ランクマでも入ってません。内緒だよ)
予選は5-1のルーザーズ抜けだったわけですが、後攻4回の先攻2回だったので、ユニオンを選んで良かったと思っています。
3.ラピスにアサギリオルトが入ってない理由
これ、優勝した<めねら>さんのラピスも同じ形で、シンパシー感じちゃいましたね。
理由は単純明解で<酷く安定しないから>です。上振れ最強ですけどね。
大会前に当然所謂テンプレの<ブーストラピス>は勿論試しましたが、まぁこのデッキはダメでした。肌に合わない、アレルギー反応。
確かに盤面を楽に返せる<アサギリオルト>は強いですが、2枚コンボです。しかも最速7ターン目。あげく<セツナイナバ>も2枚コンボで8ターン目。
つまりですよ、仮に都合よくこれらを全部揃えてしまうと逆に弱いんです。手札4枚抱えたまま他のカードだけで闘えますか?しかも3コス2/1とか1コスで1ドローとかしながら捌けると?流石に相手を舐めすぎていると思います。
そうなるとラピスが強いときは、「序盤は普通のカードで闘い、中盤にアサギリオルト揃えて、後半にセツナイナバを引いてフィニッシュ」となります。そんな都合いい話ないですよ。
これは僕のカードゲーム持論のその2なのですが『楽して勝とうとするな、もっと苦しめ』と思ってやってます。
デッキ相性や引きで楽に勝てると当然気持ちいいし記憶に残るんですが、その分、無駄が多いんですよね。勝ちすぎ。
それならその余った分は、弱点を補うのに使うべきで、究極は全試合ギリギリで勝てるデッキを目指しています。一歩間違えれば全部負けるんですけどね(笑)
その代わり、大きくマウント取られるとそのまま負けなので、そもそもマウントさせないために後手で2コス2枚出せるように採用枚数多くしていたり、最悪を想定して<ギャラクシー・ビッグバン>が入っていたりします。
とはいえラピスはユニオンほどの安定感はないので、ユニオンに安定して勝ってもらい、ラピスが二回中一回勝てるはず、という算段でこの構成にしました。
4.まとめ
以上が、ざっくりとしたデッキ選択の理由とかそこに至る経緯でした。勿論、準優勝したからドヤ顔で書いてますが、本当に正解だったかはわかりません。
ウォーブレプレイヤーが周りにいなくて、結局大会までの一ヶ月ルームマッチは一度もやれず。ランクマと最強の仮想敵想像したシャドウウォーブレの繰り返し。だからこんな独自構築になったのかも。
ユニオンは構築・プレイともにかなり詰めたので自信ありますが、ラピスはどっちも全然です。その差が、決勝戦で露骨に出てしまいました。
今回、ウォーブレのプレイヤーの方とたくさん知り合えたので、次の大会あったらレシピ教えてください…。
改めて、ウォーオブブレインズ VICTOR、最高の思い出になりました。次こそは優勝!
関わってくれたみなさん、本当にありがとうございました。
以上