IKEのカードゲーム雑記

カードゲームについて不定期に意見を垂れ流す雑記です

デッキのつくりかた

前回の記事、たくさんの閲覧・拡散ありがとうございました。
ike-coj.hatenablog.com

「○○連勝!最強デッキレシピ!」とか「最速カードレビュー」みたいなわかりやすい記事に比べるとマニアックな記事で、
『一部の人にしかうけないだろうなぁ…』と思ってたので、この反響には素直に驚きです。

こういう記事がうけるというのは、自分にとって朗報なんですよ。
こんなことばっかり考えているカードゲームジャンキーなので、まだまだありますよ、引き出し。

そんなわけで引き続き、カードゲーム全般に通じるお話。
前回も触れた、<カードゲームの勝敗を決める4要素>のうち、<デッキ構築力>についてです。

  • 環境分析
  • デッキ構築力 ←これ
  • プレイング

デッキを自作するメリット

最近はインターネットの普及に伴い『デッキはネットで拾うか、誰かから貰えばいい』なんて時代にもなってきています。

私はそれが悪い事だとは思っていないです。
ただ、デッキを自作する選択肢を検討せず、『そういうものでしょ?』と決めつけるのだけはどうかやめてほしい。

デッキをつくれる人は色々な面で有利です。

例えば…

  • 他人のデッキを雛形に、改良できるようになる

 (作成者の構築意図を汲まないと、改悪してしまいかねません)

  • 常にメタゲームの一歩先の構築で戦えるようになる
  • 相手に行動が読まれづらくなり、情報アドバンテージで優位に立てる
  • マイナーなデッキやオリジナリティの高いデッキと対面したときでも、相手の狙いを察知できるようになる

etc

環境という名のテストは自分で解いた方が力になるということです。
カンニングする人は次のテストでもカンニングしないと、同じ問題すら解けず、いつまでも力になりません。
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環境初期やエラッタ直後でもすぐデッキを順応させる人は、前の答案がなぜ正解なのか理解しているから、応用に躓かないのです。
算数を知っているから数学がわかるだけです。


ただ、今回の記事はこれらの内容をそこまで掘り下げるつもりはありません。

例に挙げたことなんかより、もっと得なことがあるんです。

いやね、楽しいんですよ、デッキ構築。

よく『人生半分損してるよ』という言い回しを、強くお勧めするコンテンツに使ったりしますが、
実際は人生の半分も損することはありません。人間の人生はそんなに薄っぺらいものではないです。

それでも、デッキ構築を自分でやらない人に向けて、数字の比喩抜きで『カードゲームの楽しみ方、半分損してるよ!』と声を大にして言いたい。


私自身は、試合を『自分のつくったデッキが本当に面白いかor強いかor正しいか』を証明する場みたいに捉えてます。
それで試合で得た結果をもとに『あーここは違ったなぁ』とデッキにフィードバックする。

構築→試合→反省→構築→試合…の繰り返しで、どんどんデッキが洗練され、99%*1の完成度に達する。

それが色んな成果につながります。

  • 公開して、『○○さんのレシピ、めっちゃ勝てる(or面白いor完成度高い)、すげぇ!』っていう賞賛
  • 『これでランクマッチに常勝できる』っていう自信と実益
  • 『次の大会はこのデッキで悔いはない』っていう覚悟

一から自分で考えたことが結果に直結する成功体験は人間の根源的な嬉しさですし、
その過程もひたすら自分の大好きなカードゲームを遊んで、考える。これが楽しくないわけがない。

だからみんなにもこの楽しさを知ってほしいです。
この記事の目標は、『このブログを読んで、自分でデッキを組むのが楽しくなりました!』
と言ってくれる人が現れること
です。

デッキをつくれる人とつくれない人

さて、前項でデッキを自作するのは楽しいと言いましたが、実際問題、私のまわりにもデッキ構築をあまり楽しいと思わない人かいます。
そういう人の多くが口にするのは揃って

『どうやって組んだらいいかわからない』

これです。

勉強が苦手な人の陥る状態と同じかもしれません。
『何がわからないのか、わからない』状態。

確かにこの状態の人に『デッキ構築は楽しいよ、なんで自分でつくらないの?』と迫るのはあまりに酷です。
無意識なマウント、カードゲームハラスメント。

そうならないために、なぜデッキが組めないのかもう少し噛み砕きます。

『デッキを組めない』は言い換えると『勝ち方がわからない』ということなんです。
逆にデッキを組める人は『どうやって勝つか*2』をイメージしてデッキを組んでいます。

『どうやって勝つか決めて、ゴールから逆算する』シンプルに書くならこれだけです。

では『どうやって勝つか』の例を挙げていきましょう。大分すると、殆どのデッキは以下どれかに該当します。

  • ビートダウン:コンスタント*3生き物*4で攻撃して相手のライフをゼロにする
  • コントロール:序盤は相手の攻撃を防ぎ、後半に手札差やカード1枚ごとのパワー差で圧倒する
  • コンボ:特定のカードを複数枚揃えることが、勝利に直結する

特に一般的なのは<ビートダウン>と<コントロール>でしょう。
普通にデッキを組むと大抵はこのどちらかになります。

今回はこの中でも、デッキ構築が苦手な人でも最もつくりやすいデッキタイプ、<ビートダウン>にフォーカスして話を進めていこうと思います。


デッキのつくりかた

さていよいよ本題です。デッキをつくるコツは以下の3ステップです。

  1. ゴールを決める
  2. ゴールまでの道のりを埋める
  3. 仮想敵でシミュレーションして勝つ

これさえ意識すれば、そう易々と紙束*5にはなりません。
順を追って説明していきます。

ゴールを決める

まずはデッキのゴールを決めましょう。
当たり前のファーストステップですが、これができていない人は多い。

『これからランニングで勝負をしよう!』というときにゴールまでの距離を知らずに走る奴はいません。
100m走なのか、400m走なのか、フルマラソンかもしれないし、もしかしたら障害物走かも。
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ランニングに例えると笑いごとですが、完成度の低いデッキほど、これになってます。
「とりあえず全力で100m走ったら、実は400m走だったから息切れで自滅する」とか
「400m走のつもりでペース配分してたら、実は100m走で余力を残したまま負けた」とかね。

ランニングとの違いは、<ゴールはあなたが決めるものだ>ということです。
実際の試合になると相手も自分のゴールを決めてそっちに引っ張ってくるので、そう簡単にはいきませんが、それは後で考える話です。

ゴールには主に3つの決め方があります。

  1. フィニッシャーを決める
  2. カードの最大コストを決める
  3. ピークターンを決める

説明の都合上、以下ルールのカードゲームと仮定します。

  • ライフ20
  • 毎ターン1コストずつ増加、最大10コスト
  • 毎ターン1枚ドロー

1番は非常にシンプルです。『このカードでトドメをさすorゲームを決めるほどの有利を取れる』という1枚を決めることです。
あるカードが8コスト、5点分のダメージを与えられるなら、
「それまでの7ターンで15点を取り、8ターン目で勝つ」ことに注力すれば自然とデッキは完成します。

2番は明確なフィニッシャーがない場合の考え方。
デザイナーが酔った勢いでつくっていない限り、基本的にはカードゲームというのはコストの大きいカードほど強いものです。
そこを信じて、例えば7コストを最大と決めたとしましょう。

その時点で「あなたは7ターン目を目標にゲームをする気がある」という意思表示になります。
フィニッシャーとは違い、7ターン目にゲームが終わるかはわかりませんが、そのターンまでは最高の動きが可能になります

最大が7コストということは、ここからは緩やかに息切れが始まり、より長期線を見据えたデッキとのカードパワー差が表れてきます。
決着はそれから数ターン内に決めたいとすれば、8~10ターンくらいがゴールとなりそうです。

3番は1や2の派生です。カード単体のパワーに加えて、複数カードの組み合わせも駆使し、<最強の数ターン>をつくりだすイメージです。
デッキ構築に慣れてくると、基本的には、3番の考え方をするようになってきます。

リソース、つまり手札をそのターン前後から段々と減らすことを構築段階で想定しておきます。
例えばデッキの最大コストが4コストだったとしても、

「5ターン目は3コスト+2コスト⇒6ターン目は4コスト+2コスト⇒7ターン目は4コスト+3コスト」

という動きは可能ですので、これが強い動きであれば十分なゴールとなります。
自分が最も強く動ける波状攻撃の時間、これがピークターンです。

3パターンのどれで決めても構いません。
これでが自分が走ろうと思っている距離が決まりました。

ゴールまでの道のりを埋める

ここでは、前項1番のフィニッシャー採用の形を例に考えます。

8ターン目に5点取れるカードがあるとすれば7ターン目までに15点を取ればいいわけです。
あとは常に1つ前のターンどうなっていたら自分が嬉しいかを考えていくだけです。

  • 7ターン目:ここで4点無理やり取りに行こう。返しの相手ターンでボードで負けても、次で勝てるから気にしない。
  • 6ターン目:次に4点を取るならこの次のターンに攻撃力4の生き物を残したい。このターンは3点取りつつボードは有利にしておきたい。
  • 5ターン目:次に3点を取りたいから、このターンで生き物を展開しつつ、相手の生き物を除去し、ボードを有利にしよう。

 (以下省略)

  • 1ターン目:ここで生き物を絶対出そう。将来的に3点取れる見込みだ!

このように、常に1つ前1つ前です。
そうして1ターン目まで遡っていけば、自然に自分が辿りたい理想のシナリオが出来上がっています。

あとはそのシナリオに沿ったカードを追加していくだけです。

この方法、本当は逆 (1ターン目から理想の動きを積み上げて、結果的なフィニッシュターンを定める) でもいいのですが、
そっちのほうが難しいのと、気持ち的にも『○○のカードで勝つ!』という派手な勝利を先にイメージしたほうが楽しいから、ゴールからの逆算をおススメします。


仮想敵でシミュレーションして勝つ

あとはつくったシナリオが現実的に可能かを検証しましょう。

このとき私のおススメですが、相手をそのゲームのバニラカード*6で考えると、比較的無理なくシミュレーションできます。

強いデッキも途中で事故を起こしたりするので、脳内で完璧な動きをするバニラデッキは現実的な普通のデッキくらいの調整相手になるという認識です。
もしそのバニラデッキにすら、理想のシナリオを辿れないなら、おそらくそれは非現実なシナリオです。

慣れたら、その環境で流行っているデッキのテンプレートを相手にするとより信頼性の高いデータになりますが、
あまり複雑になるとシミュレーションしきれませんから、実際に試合をしたほうがいいです。

そうしてシミュレーションなり実戦なりでデータを取ったうえで、そのプランが非現実と感じたならデッキを見直しましょう。
問題点は以下のように色々とみえてきます。

  • もう少しでゴールに届く。方向性は合っているから、単純にパワーを上げればよさそう。
  • 完全にデッキの方向性が間違っている。
  • 安定性が低すぎて無理。

ここで注意すべきは(特に実戦で試す場合)、負けてもある程度の回数試してから判断することです。
せめて5回、できれば10回。

もちろん1回で気づくデッキの欠陥もありますが、
相性の悪いデッキに偶然当たったとか、確率論で引きが悪かったとか、そういった偏りに滅入ってコロコロ方針を変えると、本当に正しい構築は見えてきません。

そうしてステップ1~3を繰り返せば、オリジナルのデッキが出来上がっているはずです。

応用:メタカードの調整

自分のデッキがゴールに安定して走れるようになってから、メタカード(特定のデッキに対する対策カード)を検討しましょう。

このとき注意するのは、メタカードは相手の足を引っ張りますが、そのとき自分の足も遅くなっている、ということです。

邪魔したい相手には勝てますが、自分自身も弱くなります。メタとはそういうものです。

『本当に自分は他人の邪魔をしている余力があるのか?』
『そもそも邪魔したい相手は環境にどれだけいるのか?』

つい特定のデッキに負け込むと憎しみからメタを積みたくなりますが、常に初心にかえって自分のゴールを見失ってないかチェックしましょう。
足を引っ張るだけ引っ張って、自分も同じくらい遅くなって泥試合、となっては目も当てられません。

応用:上手なデッキ診断のコツ

ここまでを理解すれば伝わるかもしれませんが、デッキというのは必ずゴールとそこに辿り着く自分のプランがあります。

ですから、誰かにデッキ診断を依頼するときは、

  1. 『こんなデッキをつくってみた。
  2. こういうプランで勝つつもり。
  3. このカードはこういう意図で採用している。
  4. これは○○対策。
  5. これは趣味!
  6. なんだけど、どう思う?』

と聞けば、良いアドバイスをくれます。
『そういうことなら、ここは違うんじゃない?』と意図を汲んで話せるからです。

決して、

  1. 『こんなデッキをつくってみた。
  2. なんだけど、どう思う?』

じゃないんです。『知らんけど、構築汚いね』で終わっちゃう。
大抵、こっちから2~5番を質問し返すか、もしくはアドバイスしたあとに『いや、これは趣味』とか言われる。(先に言ってよ~)

(見せる相手を信頼しだすと、『○○の採用意図、わかるでしょ?』って感じで多くを語らなくなりますが…私も気をつけよう。)


最後に

いかがでしたでしょうか。書き上げてなんですが、あまりうまく発信できなかった気がしている。
人によってゲームもバラバラ、デッキタイプもバラバラ、汎用的に使える考え方って文字におこしづらいですね…。

とにかく「デッキ構築とは、自分のやりたい勝ち方を決めて、それに対して勝つためのシナリオを都合よく当てはめるだけ」なんです。
都合よいところを現実的に調整していくのは、競技的なモチベーションに依存しますから、最初からそこに捉われないでほしい。

デッキ構築こそカードゲームの醍醐味、楽しいですよ。


おわり

*1:デッキレシピは経年劣化するので、永遠に完成することはない、という自戒で99%という表現にしています

*2:実際には勝つことを目的にせず、特定のコンボを決めることだけに注力した<ファンデッキ>をつくる人も存在しますが、ここでは省略します。 往々にしてそういうデッキは、手段が目的になっているので本末転倒ですが、本人がいいならいいのでしょう。 私は「特定のコンボを決めて、勝つ」まで見据えてこそ一流のファンデッカーだと思っています。

*3:いつも一定しているさま。恒常的

*4:クリーチャー、モンスター、ユニット、フォロワー、シグニ…呼び方はゲームによってそれぞれ

*5:非常に完成度が低いデッキを指す蔑称。大抵は勝ち筋が無いor勝てる可能性が低すぎる

*6:平均的なステータスを持つ能力のないカード