IKEのカードゲーム雑記

カードゲームについて不定期に意見を垂れ流す雑記です

蝙蝠ヴァンパイアの全て

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今回は蝙蝠ヴァンパイアの全てを徹底解説します。

何がどう強いデッキなのか、どういうプレイングの方針を取ればいいのか
私が蝙蝠ヴァンパイアを使い続けて得た知見を余すことなく伝えていければと思います。

蝙蝠ヴァンパイアとは?

本題に入る前に、蝙蝠ヴァンパイアの概要を紹介します。(『知ってるよ』って人は次項まで読み飛ばしてください)

《闇喰らいの蝙蝠》 (以下、蝙蝠) をフィニッシャーに据えるビートダウンデッキです。

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蝙蝠自体は第8弾DBNから存在するカードでしたが、第一線で戦うには

  • 序~中盤の戦線維持と自傷カウントの両立が難しい
  • ライフ回復の不足

と課題が多いデッキでした。

しかし、第10弾「十禍絶傑」にて追加された「姦淫テーマ」の登場により、これらの弱点を解消しつつ、純粋なデッキパワーも大幅に上がったことで頭角を現しました。

この蝙蝠ヴァンパイア、環境初期に誰もが強さに気づきました。
数日間で《フラウロス》のスクショが何枚上がったことでしょうか。

そうしてあっという間に研究が進み、ほぼ完成形と呼べるリストが1週間程度で広まりました。
しかし、今でもこのデッキには議論が絶えません。

『蝙蝠のミラー難しすぎる』
『《スコルピオ》の枚数は?』
『《双石の悪魔》と《純心の歌い手》の枚数は?』
『《姦淫の信者》は3積み安定じゃないの?』
『《姦淫の絶傑・ヴァーナレク》は2枚?3枚?』
『対ロイヤル・ネクロ無理すぎる → そんなことない、意外とやれるよ』

などなど、最近になっては《狂恋の華鎧・ヴィーラ》(以下、ヴィーラ)の枚数すら議論されているようです。

その時々の環境に何が多いかによって変わるため、これらの議論に明確な正解はないのですが、
そもそも蝙蝠ヴァンパイアの理解度が違うと話が噛み合わないことがあります。

では、その理解度の違いとはどこからくるのでしょうか?

蝙蝠ヴァンパイアはアグロデッキではない

順を追って説明しますが、今回の記事で伝えたい結論はこれです。

蝙蝠ヴァンパイアはアグロデッキではありません。”可変速度”のビートダウンデッキです。
アグロデッキでもあり、ミッドレンジでもあり、はたまたコントロールにもなりえます。

自分の手札状況・相手のクラス・試合の展開によって戦い方を大きく変えるデッキだからです。
これこそが蝙蝠ヴァンパイアの強さの根幹であり、その難しさの理由です。

これを理解していないと、ロイヤルやネクロマンサー、ミラーマッチで安定して勝つことは難しいでしょう。
おそらくそれで勝てるのは、ブン回りしているか相手が事故を起こしているときだけです。

では、”可変速度”とは、一体どういうことなのか説明していきます。

デッキリスト

説明の都合上、シンプルなリストを紹介します。
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普段私が使っているリストや、RAGEで使用したリストとは微妙に違うのですが、
最初はこの形から始めれば間違いない基本形だと思います。

枚数調整しすぎてバランスが迷走したときは、私もここに立ち返って見直しています。

このリストをもとに話を進めていきます。

勝利のルートは4つある

蝙蝠ヴァンパイアといえば「1ターン目の《姦淫の信者》スタートからの4ターン以内の《フラウロス》召喚→7ターン目の蝙蝠でフィニッシュ」
この勝ち方がもっとも印象的ですよね。

そのために最初は「運だけのアグロデッキ」として認識されがちです。
序盤のアグロが通らなったから勝てないデッキであると。

しかし、その認識ではこのデッキのパワーは50%しか引き出せていません。

このデッキ、毎回コンスタントに自傷カウントを稼げるわけではなく、
5ターン目終了時点でのカウントが3以下なんて状況もざらです。

『このままじゃ7ターン目のフィニッシュなんて到底無理じゃないか』と思い焦ってしまいがちですが、その必要はありません。

何故なら蝙蝠ヴァンパイアは4種類のフィニッシュルート(試合展開)から、適切なルートに寄せていくデッキだからです。

私はこのルートを以下のように分けました。
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基本的には「何ターン目にどのくらい自傷カウントを進められるか」が指標となります。
4~6ターン目の自傷の進め方に差が出てくるため、特に赤線で強調しています。
プレイングでルート調整しやすいのもこのターンです。

また、各ルートを達成するためには各種リソースがどれだけ残っているかが重要です。
ハイライトしている項目は、特に注意を払うべきリソース、つまり弱点です。

多少の前後はあれど、極端に欠けてしまうとルートの達成が難しくなります。

では、それぞれのルートを解説していきます。

ブン回り

皆さんご存知の最強ルートです。『走り切れる』と踏んだならこのルートを選ぶべきで、
特に先攻においては、ヴァンパイアが苦手とする「ミッドレンジロイヤル」「ミッドレンジネクロマンサー」といったデッキすら、メタごと踏み倒すパワーがあります。

キーカード

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このルートの達成条件は、1ターン目《姦淫の信者》がずっと生き残る or 《不穏なる闇の街》複数枚所持からの《フラウロス》直接召喚です。
前述のグラフからわかる通り、4ターン目までに《フラウロス》の直接召喚に成功しているため、4ターン目終了時点で自傷カウントは7~8ぐらいになっているでしょう。

また、《不穏なる闇の街》と《フラウロス》の組み合わせにより手札とライフを減らさずに、無償で自傷カウントと盤面を強くしています。
結果、何故かアグロルートより手札もライフも高く保てるため、アグロルートの上位互換といえます。

至れり尽くせりのルートですが、油断していると足元をすくわれます。

注意点1:リーサルから逃がすな

このルートの1つの注意点は相手の体力回復です。
20点の体力は容易に削り切れますが、25~30点になると蝙蝠1枚では怪しくなってきます。

《フラウロス》を《簒奪の絶傑・オクトリス》で奪われた挙句《黄金の杯》が手札に加わり、5点分リーサルが遠のくかもしれません。
対策としては、フラウロスをこちらから出さないことです。
さして効果的でもないのに、体力を削って《フラウロス》特殊召喚から奪われた場合、
自分の体力を勝手に4点減らして相手の体力を回復させてしまう。
これ、自分で負け筋をつくっています。

また、8ターン目に蝙蝠で勝てるなら相手の《飢餓の絶傑・ギルネリーゼ》(以下ギルネリーゼ) 進化に5点回復されないように、
場になにも出さないプレイも検討できるでしょう。

反対に強みもあります。
自分が圧倒的攻勢であることを活かし、自分の体力を積極的に攻めに使える点です。
余らすなんて勿体ない。

処理しなくていいフォロワーなら放置して《鋭利な一裂き》を相手の顔面に叩き込む。

相手の場のフォロワーの攻撃を受けられるだけライフが残っているならあえて動かない。
5点くらいくれてやりましょう。
『こいつ事故っているのか!?』と押し込んできた相手を邪眼の進化で吹き飛ばせば、
もう1、2ターン蝙蝠を引けるチャンスが増えます。

注意点2:手札を枯らすな

もう1つはフィニッシャーである蝙蝠を1枚も引けない負け方です。

そうならないためのポイントは5~6ターン目に休憩することです。
《純心の歌い手》《血の取引》《蒼炎の魔石》があるなら打ちどころです。
取り合えずカードを引いて終わり、攻めない。

《スコルピオ》があればそっと添えておきましょう。絶望が加速します。

このルート、4ターン目終了時点で概ね勝ってます。
相手は4ターン目終了時点の場を対処するだけでマウントを取り返すことは困難で、いいとこお互い更地です。
5ターン目時点で《姦淫の絶傑・ヴァーナレク》(以下、ヴァーナレク)は3コスト単体除去の2/4疾走となり、《邪眼の悪魔》(以下、邪眼)はどんなに強固な盤面も進化権1つで消し去ります。

だからこそ、不必要に攻めません。
リミットを決められて焦っているのは相手の方です。盤石なこちらが攻め急ぎ、ワンチャンをつくってやる必要はありません。
蝙蝠が引けるまでノラリクラリとみてから対処していればいいのです。

このルート《眷属への贈り物》を経由している場合、手札が枯渇しがちです。
であれば尚更、手の内は明かせません。

相手に蝙蝠、ヴァーナレク、邪眼、この3つのいずれでも持っていないことがばれた場合、
その点を突いた細い筋を通されかねません。

相手からすれば『やらなければ負ける』状態なので迷いがないでしょう。
裏目と心中覚悟の背水の陣ほど、カードゲームで厄介なものはありません。

ターンスキップを積極的に検討しよう

さきほど5~6ターン目は休憩と言いました。ではドローソースがなく何もできないときはどうするか。
場合によってはターンスキップです、全PP残して何もしない。

これ、1回や2回ではなく蝙蝠ヴァンパイアではよくやるプレイです。
スキップとまでいかなくても、PPを意図的に余らすのはざらです。

蝙蝠以外に重いカードも少ないため、減らそうと思えばいつでも使いきれるからです。
ギリギリまで情報アドバンテージで優位を保ち、一番効果的なタイミングに手札を切りましょう。

ここでスキをつくってしまうのが、とりあえず手札にある《姦淫の従者》や《フラウロス》といったフォロワーを置いてしまうことです。

貴重な残り少ないフォロワーを相手のフォロワーに有利トレードされてしまい、
その大型フォロワーの処理に《鋭利な一裂き》や進化権を消費するのは愚の骨頂。

先に相手に置かせてしまい、こっちが進化権を使って除去してしまえばいいのです。相打ちでもかまいません。
《姦淫の従者》なら2PPと進化権1つで単体除去です。《フラウロス》には5点回復がついてきます。

例えば対ロイヤル。
5表に設置した《フラウロス》を《不撓不屈の騎士・ヴェイン》で処理されると、5/5が残ります。
ヴァンパイアが体力4以上のフォロワーを効率的に処理する方法はヴァーナレクくらいですが、
それがない場合、6表に手札の《姦淫の従者》に進化権を使い処理しなければいけないかもしれません。
もしかすると、2コスト3点焼きを2枚使わされるかも、そのう1枚が《鋭利な一裂き》だと痛すぎる。

そしてヴァーナレクがないことが相手にバレる。
先に動いたがために損失だらけです。

であれば、様子見して相手の出方をうかがうべきでしょう。
邪眼とヴァーナレクという2本柱がチラつく以上、相手は不用意にリスクを冒すことはできません。

仮に更地から《俊英の双剣士・ランスロット》が進化権を使って5/5疾走で殴ってきても、
《フラウロス》進化で相打ちをとれば5点帰ってきてお互いに進化権がなくなりふりだし。
有利なのは依然としてこちらです。

最悪なのは、そうした無駄な行動で手札と進化権を全てなくしてしまい、
手の内を全てさらした『トップで蝙蝠引けば勝ち』のお祈り状態になることです。

ブン回りルートは《闇喰らいの蝙蝠》を引けていれば25~30点削り取ることも可能でしょう。
オーバーキルになるのであれば、そのオーバー部分はリスクケアにあてる。
別にフィニッシュターンが8や9に伸びても構いません。

繰り返しになりますが「あえて動かない」が時には最善手となり得ます。
相手の細い勝ち筋すら入念につぶしていきましょう。

アグロ

1ターン目《姦淫の信者》の継続的な攻撃により達成できます。
《フラウロス》特殊召喚は達成できない場合もありますが、
それでも自傷カウントが相手の残体力を上回り、7ターン目蝙蝠フィニッシュを迎えられます。

基本的な注意点はブン回りルートと変わりませんが、ブン回り以上に自分の手札と体力が減っているためより繊細です。
蝙蝠が見えていない状況では、息継ぎ (手札補充や様子見) をしっかり意識しましょう。

アグロルートこそロイヤル・ネクロのカモと知れ

『ロイヤル・ネクロが蝙蝠ヴァンパイアに有利』と言われる所以は、このアグロルートを潰せるからです。

アグロルートでも20点は削れますが、それ以上の体力は届かず手札が枯渇します。

  • 序盤のフォロワー処理に長ける:《姦淫の信者》や《スコルピオ》による継続的な自傷カウントが成立しづらい
  • 相手から盤面をつくって攻めてくる:自傷を進めながらの盤面処理は手札の要求値が高いため、思うように主導権を握れない。
  • 体力回復が十二分にある:序盤に与えたダメージがすべて無かったことにされる可能性があり、自傷カウント10程度では削り切れない。

これらを兼ね備えているため、ロイヤル・ネクロは蝙蝠ヴァンパイアにとって天敵なのです。
ネクロにいたっては1表の《姦淫の信者》すら豊富な1/1/1が咎めてくるためより絶望的です。

先攻をとればまだ筋を通せることもありますが、後攻からのアグロ達成はまず不可能です。
蝙蝠を2枚引けばなんとか、といったところでしょうか。

では、ロイヤル・ネクロに勝つにはどうすればいいのか?
その答えがミッドレンジ or コントロールです。

ミッドレンジ

《姦淫の信者》を引けなかった、あるいは除去されることが前提のマッチアップで取るルート。
序盤は2コスト、3コストフォロワーで最低限の攻めだけを行います。


蝙蝠ヴァンパイアを長く使っていると、このルートを通ることが最も多いです。
(アグロやブン回りはそう何度も続きませんからね)

また、ロイヤル・ネクロマンサー相手に先攻を取った場合にもよく使います。

基本的に7ターン目のフィニッシュは狙っていません。
9ターン目の《鋭利な一裂き》+《眷属への贈り物》+蝙蝠による、
自傷カウント+6点といった遅めのフィニッシュが目標となります。

このルートを的確に通すためにはアグロとはまた違ったキーカードが必要です。

キーカード

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このルートのポイントは以下2点。

  • 序盤のフォロワーは処理されること前提で動き、手札を維持する。
  • 自傷カウントは6ターン目に進める

例えばロイヤル戦。相手が後攻の場合マリガンで残すのは当然《ランサー》や《簒奪の蛇剣》でしょう。
マリガンで1~2枚手札を残してきたならさらに確定的です。

このとき先攻2ターン目にプレイするのは《スコルピオ》ではなく《双石の悪魔》を優先します。

同じ2コストのカードをプレイしあった場合、お互いの手札消費は1枚です。
しかし、《双石の悪魔》を除去された場合、手札に加えた《蒼炎の魔石》を4ターン目にプレイすることで、
実質的には2枚の手札と自傷カウント1の有利を得ていることになります。

そうして4ターン目にドローを進めつつ、余った2コストで盤面を維持するのが理想的な流れです。

ここで設置した《蒼炎の魔石》は6ターン目に真価を発揮します。

6ターン目にヴィーラへ進化権を使いつつ、2コストの自傷カード2枚と0コススペル1枚。
これで盤面を制圧しつつヴィーラ+《フラウロス》という強固な場をつくり、自分の体力を減らさずに自傷を6~7カウントに進めます。

こうすることでヴァーナレクのプレッシャーを与えて動きを制限しながら、
7~8ターンでさらに自傷カウントを進め、
9ターン目を目標に蝙蝠のフィニッシュを狙います。

「6ターン目に4カウント進める」これがポイントです。

注意点1:自傷カウントを進めるチャンスを逃すな

ミッドレンジルートを通る場合の注意点ですが、自傷カウントを悠長に進めすぎないようにしましょう。

具体的には、邪眼に進化を使う盤面処理です。
やってることはもちろん強いのですが「5PPと進化権1つを消費してカウントが何も進んでいない」というのは蝙蝠ヴァンパイアにとっては大きな足かせです。

自傷カウントが進まなかった場合、一番の問題点はヴァーナレクのプレッシャーがなくなることです。
大型フォロワーの処理にヴァーナレク、小型の処理の2コススペル、この使い分けで7~8の進化権がないターンをコントロールしていかなければ、
後半の盤面戦にヴァンパイアはついていけません。

邪眼の5/4というサイズは、残っていても案外簡単に取られます。
《フランの呪い》や《オルトロス》ならまだいいのですが、
《希望の戦術家・セリア》や《不撓不屈の騎士・ヴェイン》で上から取られると主導権は相手のままです。

特に絶好のフラウロスターンである6ターン目に邪眼を切らされる展開はかなり不利です。
1PP余った上にカウントも進みません。

《眷属への贈り物》や《姦淫の信者》を脇に沢山並べられるならその限りではないですが、
基本は6ターン目で切らされないように場をコントロールしていきましょう。

できれば邪眼は、プレッシャーだけを美味しく利用して、頃合いで2コスト3点スペルとして使うと強いです。
「頃合い」というのはヴァーナレクの起動に繋がる自傷7へたどり着くタイミングです。

注意点2:体力を削りすぎるな

注意点1の自傷カウントを意識しすぎてやってしまいがちなのが、ヴィーラなしでバンバン自傷カードを使うことです。
《フラウロス》の直接召喚を見込めない状況でこれを行うと、自分の動きが相当窮屈になる可能性があります。

例えば《蒼炎の魔石》と《血の取引》を2枚使うだけであっという間に6点体力を削っています。
リーサルターンで《鋭利な一裂き》を相手の顔面に使うなど考えて、諸々10点くらいは自分で削りかねません。

こうなると相手のリーサルがかなり容易になります。
本来は『ここは多少場を放置して、引き付けて邪眼につなげよう』といったプレイができる状況で、
『相手の手札にギルネリーゼがあったら負ける…」といったリスクケアを余儀なくされる可能性があります。

ミッドレンジでは常に自分が攻め側ではありません。
ある程度シーソーゲームになります。

全く体力を削るな、とは言わないのですが、ブン回りやアグロと違って削り過ぎには注意です。
「シーソーがこちらに傾くターンである程度場を無視できるか?」を見極めていきましょう。

場合によっては《現れる狂気》による4点回復と《不穏なる闇の街》の1ダメージと1ドロー、2つの価値を比較することも必要です。

コントロール

主に、ロイヤルやネクロマンサーといった盤面を制圧してくるデッキに対し後攻を取ってしまったときに取るルートです。
この動きを知らずにプレイしていると《騎士王・アーサー》や《冥界の番犬・ケルベロス》で詰みます。

キーカード

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このルートはとにかくフィニッシュターンが遅いです。
自傷カウントは適度に進めるのですが、狙うは邪眼の進化による盤面制圧です。

そのために進化権がとにかく重要です。できれば2回邪眼に使いたい。

前述で説明した通り、ロイヤルやネクロマンサーにはアグロルートが非常に通りづらいです。
後攻を引いた状態ではミッドレンジの戦い方も成立しません。

進化権を全力投球し無理やり6ターン目までに場の維持と自傷カウントを稼ぐことは可能ですが、
結局相手に盤面を取られてしまいます。
そして、中途半端に蝙蝠の打点が足りないまま先にリーサルをかけられ対応できなくなります。

となると仕方ない、場のフォロワーの攻撃で点を稼ぐしかありません。

進化権を先に切らすと負けだと思うくらいがいいです。
そのためには、相手の《ドラゴンナイツ》といった大型フォロワーを読み、
《紅炎の魔石》を抱えておくことも重要です。

目先のドローより進化権を残すこと。
ドローはあとの《血の取引》でも補えます。

注意点1:邪眼を強く使え

前述の表に書いたとおり、注意するべきリソースが一番多く繊細です。

  • 自傷カウント
  • 自分の体力
  • 手札枚数
  • 進化権

考えることが多く見えますが、これらの管理はすべて邪眼の進化を強く使うために集約しています。

場合によっては、ヴィーラに進化を使いたいところをグッとこらえて、そのまま自傷カードを使うことも必要です。
そのため体力がどのルートよりも少なくなりがちですが、仕方ありません。

デッキ全体のリソースは有限。
何かに寄せるということは他のガードを下げるのは必然です。

理想は7ターン目の邪眼です。
邪眼+2コストフォロワー+《眷属への贈り物》(回ればフラウロスまで)

盤面を3体以上並べて相手の場を制圧し、ここから横の2コストや《フォレストバット》がチクチク稼ぐ打点が、
じわじわと蝙蝠のリーサルを引き寄せます。

注意点2:8ターン目にヴァーナレク起動を目指せ

色々意識していても、いずれは進化権がなくなります。
そこで次に頼るのがヴァーナレクです。

7ターン目に形成した邪眼の盤面もそこまで強度が高いわけではないので、普通にやっていると押し返されます。
そのためには横に展開したフォロワーを維持しつつ攻め続けるヴァーナレクの存在は不可欠です。

7ターン目開始時点で自傷5でも、2コスト2枚からでヴァーナレク起動は可能です。
焦らず、後半の攻勢に回ったタイミングで体力を減らしていきましょう。
盤面を取っているうちは、そうそう相手のリーサルに悩まされることはありません。

そうして、いよいよ誤魔化しが効かなくなる直前、9~10ターン目の蝙蝠で〆ましょう

まとめ

想定以上に長くなりすぎました…クラス別マリガンとかプレイ方針まで書くと収集がつかないのでこの辺で。
ここまで読んでいただきありがとうございます。

改めて今回のまとめです。
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  1. 蝙蝠ヴァンパイアはアグロデッキではない
  2. 4種類のルートを使い分けよう
  3. ブン回り:5ターン目以降は積極的な様子見姿勢。リスクを抑えて相手の勝ち筋を潰せ。
  4. アグロ:5ターン目以降の手札・体力の管理が繊細。蝙蝠のフィニッシュがみえるまでの弱いターンを悟られるな。
  5. ミッドレンジ:フィニッシュは9ターン目標。自傷カウントは6ターン目に一気に進めよう。
  6. コントロール:とにかく進化権を切らさないこと。自傷カウントの遅延や体力の低下もやむを得ない。フォロワーで打点を稼げ。

とにかくプレイの幅が広く、相手のクラスと自分の手札状況で分岐の多いデッキです。
噛めば噛むほど味が出るスルメデッキなので、これを機会に使ってみてもらえると嬉しいです。

一旦終わり。


以下、流れに乗らなかったTIPS。興味があれば読んでみてください。

TIPS:RAGEで使ったリスト

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DAY2にて1-2敗退、ヴァンパイア単独8-2。

ドローソース8枚と厚めに取り、《姦淫の信者》2枚なのが特徴です。
これはミラーマッチの多さを想定したチューンですね。

ミラーマッチの《姦淫の信者》は1ターン目以外出さないほうがいいまであるくらい扱いが難しいです。
(雑に出すと相手のフラウロスの直接召喚の素材にされ、ただのアシストになるからです)

ただ実際にはミラーマッチは少なかったので、
不利なロイヤルやネクロマンサーにワンチャンつくりやすい《姦淫の信者》は3枚だったかな。

0コストや1コストを減らしたのに、さらにドローに寄せてかさばったのも反省点。
ここまで入れるなら《眷属への贈り物》は3で良かった。

TIPS:ルート変更は臨機応変に行おう

『アグロルートを通す!』と思ったら相手が《クイックブレーダー》を持ってた』
『除去される前提の《スコルピオ》が相手の事故で残った』
『《血の取引》から0コストカードが引き込まれて一気に自傷カウントが進んだ』 
などなど、実際の試合中には色々な展開が起きます。

その時は最初に決めたルートから積極的にギアチェンジしていきます。

ミッドレンジならアグロにもコントロールにも寄せられます。
アグロが一転、ブン回りで押し切れるかもしれません。

流石にコントロールがいきなりアグロになるなどは難しいのですが、1段階のルート変更は可能です。

自分が今どのルートに一番近い位置にいるのか常に考えること。
ルート変更のタイミングは4~6ターン目に生まれやすいので特に意識しておきましょう。

TIPS:後攻の《姦淫の信者》は3ターン目にセットプレイ

後攻1ターン目にプレイした《姦淫の信者》はと~っても世話がかかります。
相手のフォロワーに有利トレードされるのを防ぐには2コストのスペルを2回続けて使うしかありません。

結構要求値が高いので、2裏は2コストフォロワー→3裏に2コスト+《姦淫の信者》と動きましょう。
4裏には進化権もあるので、うまくことが運べば2コストスペル1枚で《姦淫の信者》がずっと残ります。

TIPS:ミラーマッチのコツ

ミラーマッチのプレイングを書き出すとキリがないので今回は割愛します。
おそらく現環境一番難しいです。

要点だけさらっと書いておきます。

  • 基本コントロールデッキとして動きます。
  • 強気に動いた方が負ける。無理してリーサルを狙わない。
  • フォロワーの体力は4点残す。
  • 体力を減らさずに自傷カウントを進める。
  • 進化権を先に空にしない。(ヴァーナレクを構えている場合、その限りではない)

ガッと行くとそれ以上のパワーで押し返されます。
反発を受けないように、じわじわナイフを押し込みましょう。

(なお、ブン回りに対抗するにはブン回りしかありません)