リーダー評価のガイドライン【シャドバ 2Pick】
今回は2Pickリーダー評価のお話。
『一体何を基準に評価を”高い”としているのか?』についてです。
『《竜の峡谷》が強いからドラゴンが最強!』とかそういう単純な話をするつもりはありません。
2Pickは構築戦以上に、リーダー評価が難しいフォーマットだと思います。
デッキ構築・プレイングの両面で同条件での検証というのが基本不可能だからです。
毎回デッキ内容が変わり、マナカーブ・デッキパワーに振れ幅があります。
また、相手がプレイしてくるカードの選択肢も多岐に渡るため、定石で動けるプレイが限られます。
そのため期待値に基づいた客観的な情報は中々見えてきません。
どうしても主観によるバイアス*1がかかり、人によってリーダーの評価基準が全然違います。
私自身、自分の評価が絶対とは言えませんが、自分なりにどのリーダーが強いかはハッキリ順位付けしています。
それを言語化することで、自分の頭の整理と議論の活発化につなげたいなと思い筆を執りました。
リーダー順位
本題に入る前に、2018/9/2現在、私のリーダー順位は以下のとおりです。
- ドラゴン・ウィッチの2強状態
- 中堅層争いにネメシス,エルフ,ネクロマンサー,ロイヤル (激戦区なので入れ替わりが激しい)
- 下位2クラスにヴァンパイア,ビショップ (=どちらもピック対象外)
という見解に落ち着いています。
この評価には賛否両論あると思いますし異論は歓迎なのですが、今回の論点はそこではありません。
大切なのは『何を理由にこの評価を付けたのか?』
それはデッキパワーの"最大値"と"安定感"という2つの要素です。
細かく分けていくと評価項目はもっと多いのですが、広い意味ではこの2軸に内包されていると考えています。
この図から、こんな評価が読み取れます。
- ウィッチは最大値最強だが、安定感はドラゴンのほうが上
- ネクロマンサーは最大値が控え目だが、抜群の安定感を持つ
- ネメシスは最大値と安定感のバランスが高水準
そして、私は最大値よりも安定感をやや高く評価しています。
そのバランス感も加味されて、さきほどのリーダー順位を決めているわけです。
…と、ここまで読んでも、ピンと来ていない人が多数でしょう。
『だから、結局”最大値”や”安定感”は何から判断してるんだよ!』という疑問が解決してませんね。
では、『そもそも”デッキパワー”とは何の評価なのか?』に切り込みます。
評価の基本はシルバーとブロンズ
デッキパワーの
最大値:シルバーカードの強さ
安定感:ブロンズカードの強さ
です。
わりと乱暴ですが、概ね間違わない評価軸だと思っています。
2Pickに慣れていない人向けに少し補足します。
2Pickで作成するデッキ30枚は以下のレアリティ比率で固定されています。
クラスブロンズ:12枚
クラスシルバー:6枚
ニュートラル:8枚 (ゴールド/シルバー/ブロンズ)
レジェンド/ゴールド:4枚 (クラスゴールド/レジェンド/Nレジェンド)
このようにデッキの殆どはブロンズとシルバーで構成されています。
1試合通してブロンズとシルバー+ニュートラルだけで戦う、というのも珍しいことではありません。
レジェンド/ゴールドも評価していないわけではないのですが、信用度は低いです。
レジェンドを1枚もピックできないことはざらにありますし、必ず強いとも限りません。(マルドゥークとか、ロキとか…ね)
つまり、構築戦でいうところのパワーカード・フィニッシャーの役割はシルバーカードが担うことになります。
そして、枚数の多さから必然的にデッキの地固めを行うのがブロンズです。
これで”デッキパワー”という言葉に具体性が生まれてきました。
既にざっくり評価できる状態になったわけですが、2Pickではもう1つ無視できない要素があります。
それは”横展開”の存在です。
デッキパワーを覆す「横」の強さ
『2Pickは横に広げるのが強い』という定説があります。
正確に言えば『縦の除去はニュートラルで容易に行えるため、フォロワーの数が同数であるかぎり膠着が続くから縦が弱い』のです。
例えば《神罰》
このカードは8枚のニュートラルピックに含まれるので、まずどんな相手からもとんできます。
また、攻撃後は《落とし穴》というさらに強烈な裏目が存在します。
これらをケアせず『場のフォロワーが同数または負けているのに、大型フォロワー1体に進化権をつかって相手の小型フォロワーに攻撃を仕掛け、返しにスペルで処理される』
というのが2Pickの王道負けパターンです。
進化権の価値を低く使ったことになるからです。
相手の進化権が残っているうちは《蒼空の先導者・ラカム》にも要注意です。
他にも《ホーリーエンジェル・アルテア》や《ギガース》があり、とにかく縦の除去は豊富です。
大型フォロワーというのはそれほどに出すタイミングが問われます。
かといってこれらの裏目を嫌って膠着が続いてしまうと、後半にデッキパワーが高いリーダーに圧倒されるのは明白です。
となると、デッキパワーで負けるリーダーが上位クラスに一矢報いるにはどうすればいいか?
その答えが横展開です。
縦に対して横の除去というのはかなり限られています。
ニュートラルカードでまともに機能するのは《プロトバハムート》くらいです。
しかし、レジェンドカードであるプロバハはデッキに入ってないことのほうが多いでしょう。
(割り切るので裏目を踏みやすいともいえるのですが)
そしてクラスカードも、横の除去を持っているリーダーとそうでないリーダーが明確に分かれます。
たとえたった《フェアリー》1体であっても、フォロワーの数が負けているとしばらく触れないのです。
これは実際に2Pickをやれば直ぐに実感するでしょう。
場の数が負けていると小型フォロワーに触る暇がなく、2回3回と攻撃を重ねられ、相当な体力を削られます。
これが、エルフやロイヤルの評価を底上げしている要因です。
ではその観点からいくつかのリーダーを評価してみましょう。
リーダー評価:実践
これまで話した内容をもとに4つの観点からリーダーを評価します。
- デッキパワーの最大値
- デッキパワーの安定感
- 横展開能力
- 横展開に対処する力
安定感と最大値の高さを両立しています。
ドラゴンを最高順位に挙げる人が多いのはこの辺が理由でしょう。
ブロンズカード最強レベルの《バジリスクライダー》を4ターン目にプレイするだけでゲームを有利に運べます。
それ以外にも《毒尾のドラゴン》《テールスイング》などブロンズとは思えない強力なパワーカードが揃っており、
普通にフォロワーを出し合っている限りまず押し込まれることはないでしょう。
そのうえで出せばほぼ勝ちに近い《竜の峡谷》という超パワーカードも保有しており、スキがありません。
"弱点"というには細い筋ではありますが、やや横展開が苦手です。
《バジリスクライダー》や《竜の峡谷》という強みが、軽いフォロワーで押されていると機能しなくなってしまうからです。
エルフやロイヤルは多少の裏目を気にせずガンガン押していくことでドラゴンを自由にさせずに倒せる可能性があります。
《ドラゴニュートの威圧》を握られていたらあきらめましょう。
《暗黒の召喚士》があまりに強すぎるため、これを複数枚ピックしたときは文句なしに最強です。
最新弾ボーナスのおかけで出現率が高いのも追い風。
その陰に隠れがちですが《マジックガンハンター》も相当なパワーカードで、
このカードがみえた瞬間にどっしり構えたリソース戦ではほぼ勝てないことが確定するため、無理して攻めを要求させられペースを掌握されます。
ブロンズの《連鎖する雷》によるフェイスのダメ押しプランや《ストームレイジ》による横除去も完備されてあり、
《暗黒の召喚士》の安全着地・着地させた後のフォローアップ、どちらも得意でかみ合ったときは本当に止まりません。
ただし、ドラゴンに比べて弱点は明白で、デッキパワーがシルバーカードに依存しています。
《暗黒の召喚士》をピックできなかったときに一気にデッキパワーが落ちるので、安定感はやや低いクラスです。
最大値や安定感は正直、中堅下位です。
しかし、ロイヤルは横展開という数少ない強みを持ったクラスです。
これを構築段階から戦略的に狙っていけるのはロイヤルとエルフくらいでしょう。
特に後攻時のアグロ性能は圧巻で、《先陣の騎兵》によるブン回りは勿論、ブロンズの《鉄壁の城塞》も非常に強力です。
《ナイト》《ヘヴィーナイト》をひたすら横に展開→バフをかけながら顔を詰め切ることで、ドラゴン・ウィッチを押し切れるポテンシャルがあります。
また、レジェンドやゴールドなのであまりアテにはできませんが《高潔なる騎士・レイサム》《ドラゴンナイツ》あたりまでピックできれば、
デッキパワーの低さも補うことが可能です。
しかし、アグロプランは後攻特有のもので、先攻だと手札の息切れ、進化権の少なさが露骨に響き中々押し切れません。
総じて安定感が低く、上振れリーダー感はどうしても拭えませんね。
ここですべてのリーダーを評価はしませんが、こんな感じで自分なりのリーダー評価を試してみてください。
まとめ
要点をまとめると…
- リーダー評価はブロンズとシルバーで決まる
- 最大値の強さだけでなく安定感も加味して評価する
- 横展開はデッキパワーを覆す力があり、別途評価に考慮する
というお話でした。
リーダー評価は2Pickのスタートラインであり、正しく理解しなければその先の構築・プレイングの領域で戦えません。
今回の私の評価軸はある程度簡略化したもので、本来はもっと多くの要素が複雑に絡み合っています。
色々試行錯誤して、自分なりのリーダー評価を見つけてほしいです。
この記事が、その助けになれば幸いです。
*1:偏りのこと。十分な分母を検証していない or 個人の思想・思い込みに影響されている情報によく用いられる